治療・予防 2024/12/23 05:00
薬物療法が大きく進歩
~ぼうこうなどの尿路上皮がん(虎の門病院 三浦裕司部長)~
酒気帯び運転基準未満の少量飲酒でも、車の運転に支障を来す可能性のある脳機能の異常が生じていることが明らかになった。研究を行った札幌医科大学(札幌市)神経科学講座の篠崎淳助教に話を聞いた。
飲酒運転による死亡事故リスク
◇多量飲酒で注意力低下
警察庁によると、2023年中に起きた飲酒運転による交通事故は2346件で、前年より179件増加した。
多量に飲酒すると、注意力が低下したり、反応が遅くなったりすることが分かっている。
「運動の抑制」に関連する脳の機能にも異常が生じるとの報告もある。運動の抑制とは、交差点の信号が青になり車を発進させようとアクセルを踏もうとした瞬間、反対車線の車が信号無視で右折してきたので、急いでアクセルを踏むことを止める、といった反応に相当する。飲酒で運動の抑制に関わる脳機能に異常を来すと、アクセルから足を離す反応が遅れる可能性がある。
◇危険回避時の脳活動が変化
少量の飲酒が運動や脳機能に及ぼす影響については、ほとんど研究が行われていない。そこで篠崎助教らは、健康な成人17人を対象に、呼気中アルコール濃度が道路交通法の酒気帯び運転(呼気アルコール濃度1リットル当たり0.15mg以上)の下限前後(同0.10~0.20mg)の運動や運動抑制に関連する脳機能の変化を調べた。
その結果、「運動抑制に関わる右下前頭皮質と呼ばれる脳部位の活動が変化することが分かりました」。
篠崎助教は「酒気帯び運転になるか、ならないか程度の呼気アルコール濃度でも、ブレーキを踏む、ハンドルを切るといった危険回避運動を行う時の脳活動が変化する可能性があります。運転する時は少量でも飲酒しないことが望まれます」と注意喚起する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/10/18 05:00)
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