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高齢になると段差につまずいて転倒することが多くなるため、用心して、必要以上に足を高く上げる傾向がある。そうした傾向が強い人は、動きの柔軟性を失う可能性があることが分かった。研究発表した東京都立大学大学院人間健康科学研究科ヘルスプロモーションサイエンス学域(東京都八王子市)の樋口貴広教授に聞いた。
必要以上に足を高く上げる傾向が強いと、動きの柔軟性を失う可能性
◇筋力や反応力の不足で転倒
消費者庁は昨年、75歳以上の要介護認定者と同居または同居していた1000人を対象に、事故防止に関するアンケート調査を実施。最も多かったけがは「つまずく、転ぶ、よろめく」の46.2%だった。転倒したり、しそうになったりした状況で一番多かったのは、段差につまずいたときで約7割に上った。
「段差に対し足の上がりが足りずつまづいたとき、瞬間的に足を前に送り出し崩れたバランスを取り戻すことができれば転倒を防げます。ですが、高齢者はそれに必要な筋力や反応力が不足しているため、転びます」
◇動作の調節能が低下
樋口教授ら研究グループは、健康な若者21人と65歳以上の26人を対象に、高さ8センチの段差を繰り返しまたいでもらって実験した。その結果、足を高く上げる傾向がある人は、段差をまたぐ際の柔軟性が低いことが示された。
いつでも足を高く上げることを繰り返すことは「状況に応じて動作を柔軟に調節する能力の低下につながり、転倒しやすくなる可能性があることが分かりました」。
これを防ぐには、筋力の維持だけでなく、体の動きの調整力を維持することが重要だ。「無理のない範囲で、バランスの調整が必要になるような運動を取り入れること。ウオーキングする際は平らな道路だけでなく、時には土や芝生などを歩いてみるのもいいです」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/10/24 05:00)
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