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私たちの体の中には体内時計が備わっている。この体内時計と栄養学を結び付けた「時間栄養学」は、肥満の防止や病気の予防などにも役立つと言われている。早稲田大学先進理工学研究科(東京都新宿区)の柴田重信(しばた・しげのぶ)教授に話を聞いた。
◇朝と夕の割合が重要
肥満になりやすいかどうかも、体内時計との関連がある。例えば、腸が糖質を取り込む時間のピークは午前中にあり、効率良く吸収される。しかし、夕食時間が遅いと、眠るまでにエネルギー源として使い切ることができず、脂肪としてため込まれてしまう。
マウスの時計遺伝子を無くすと肥満になりやすいことも実験で分かっているが、これは「食べた時間に関係なく、常に栄養素を取り込もうとしてしまうから」だという。
男女1200人を対象に、朝、昼、夕の食事量の割合を調べたところ、おおむね朝食が20%、昼食が35%、夕食が45%だった。「BMI(体格指数)が最も高い中高年の男性は夕食の割合が高いことが分かりました。栄養素を効率良く吸収し、肥満を防ぐには、朝食をしっかり食べ、夕食を抑えることが重要です」と、柴田教授は話す。
◇朝食で寝たきり予防
高齢者で筋力や心身の活力が低下した状態を「フレイル」と言い、近年、寝たきりの原因として注目されている。「たんぱく質の摂取がフレイルの予防になると言われていますが、実験では1日の食事量が同じでも、朝多く食べたマウスとそうでないマウスでは筋肉量に差がありました」と柴田教授。
朝はアミノ酸などの吸収力が高く、日中は筋肉を動かす機会も多い。そのタイミングでたんぱく質を取ることで、筋肉が増えやすくなるのだ。「朝はこれから活動する、夜は就寝するタイミングですから、食事の意味合いが違うのです」
一方、目的によっては夕食で取ることが勧められるものもある。「骨粗しょう症の予防を目指すなら、大豆イソフラボンの食品を夕食で取るのが良いでしょう。骨は夜作られるので、そのタイミングに合わせて取ることで効率良く使われます」と、柴田教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/01/22 11:46)
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