治療・予防

白髪染めに注意
アレルギー発症も

 「年齢を重ねても黒髪のままおしゃれを楽しみたい」「老けて見えるのが嫌だ」など、白髪染めをする人にはそれぞれの思いがある。しかし、気を付けたいのがアレルギーなどのリスクだ。これは白髪染めなどの酸化染料に含まれる物質によって起こるものだという。満尾クリニック(東京都渋谷区)の満尾正院長に話を聞いた。

 ◇酸化染毛剤の影響

特に生え際を染める際には注意を

 消費者庁の調べによると、毛染め利用者の8割以上が3カ月に1度、毛染めを行っている。利用者の5割以上を50代が占める。

 「白髪を染めるかどうかはそれぞれの自己判断でよいと思います。しかし、安全性についてはよく知られておらず、トラブルが起こることもあるので注意しましょう」と満尾院長は呼び掛ける。

 国内で最も多く使われている白髪染めは酸化染毛剤だが、主成分の酸化染料がアレルギーを引き起こすことが分かっている。

 一度症状が治まったとしても、再度使えばかぶれや赤み、腫れなどが起こりやすくなり、次第に症状が重くなる可能性もある。白髪染めが付着した場所だけでなく、全身症状を引き起こしたり、かぶれがひどくなったりするケースもある。

 長年、酸化染毛剤を使い続けることによって、過去にアレルギー症状が出たことがなくても、突然、発症する可能性もある。症状が軽くてもかぶれを起こした経験がある人は使用を避けた方が無難だ。

 満尾院長は、「首から上は血流が多く、成分が吸収されやすい。白髪染めを頭皮に一切付着させず髪を染めることはほぼ不可能。異常があれば使うのを中止して皮膚科を受診してください」と話す。特に若いうちから酸化染毛剤を使用すると、その分、染料との接触回数が増えるため、使用には慎重さが求められる。

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