鈍的外力による外傷・肋骨骨折〔どんてきがいりょくによるがいしょう・ろっこつこっせつ〕

 鈍的外力とは、たとえば転倒して胸部を打撲することなどですが、ゴルフのスイングや強いせきなど胸部に大きな力がかかるような動作でも発症することがあります。受傷直後から胸部の痛みがひどく、呼吸するたびに痛みが強くなるようなら、肋骨を骨折している可能性があります。
 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)など、骨のもろくなる疾患にかかっている場合では、わずかな外力や、強いせきが続くだけで肋骨骨折をきたすことがあります。
 肋骨骨折の治療法は、通常は局所の安静および湿布程度によって1カ月弱で治癒します。呼吸のたびに痛みが強いようなら、弾性絆創膏や弾性包帯によって外部から骨折部を固定する外固定が有効です。
 交通事故など強力な外力によって一度に多数の肋骨を骨折した場合には、疼痛(とうつう)が激しく十分な呼吸ができないだけでなく、胸郭(きょうかく)が呼吸に伴って陥没と突出をきたす「胸郭動揺」(「フレイルチェスト」ともいいます)が起こることがあります。この場合、十分な換気量が得られず呼吸困難をきたすため、人工呼吸器による呼吸補助が必要になることもあります。

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