泌尿器科的な腹部の症状

■腰痛、側腹部痛
 泌尿器科の病気でわき腹の痛みを生じるものには、腎盂(じんう)腎炎、水腎症腎臓がんなどがあります。
 腎盂腎炎では発熱とともにわき腹が痛みます。わき腹といっても、わきというよりはもっと背中のほうになります。
 水腎症での痛みはさまざまです。水腎症になる原因としては、先天性(生まれつき)を除くと、尿管結石と尿管腫瘍が代表的です。尿管結石による痛みは疝痛(せんつう)と呼ばれ、刺し込むような痛みが起こり、時に激烈なものになります。


■腹部の腫瘤
 中央ではなく左右に寄って腹部に腫瘤を触れれば、それは、水腎症、腎臓がん、後腹膜腫瘍などが疑われます。圧迫で痛みが強くなれば、水腎症の可能性が高くなります。

■下腹部の腫瘤
 下腹部の中央部がはれてきた場合は、膀胱(ぼうこう)に尿がたくさんたまっているのに尿を出せない状態(尿閉〈にょうへい〉)が疑われます。

(執筆・監修:医療法人財団みさき会 たむら記念病院 院長 鈴木 洋通)
(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔泌尿器外科学〕 久米 春喜)
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