この病気は、かつてウェゲナー肉芽腫症と呼ばれていましたが、鼻や副鼻腔(びくう)などの病変から始まり、肺の病変、腎病変へ進行していきます。男女差はなく、40~60代の人に多くみられますが、若い人でも発病します。
[症状]
鼻汁、鼻出血、鼻閉などの上気道症状がみられ、進行すると肉芽腫という腫瘤(りゅう)性の病変による結節性の陰影が肺に出現します。最終的に腎障害による腎不全をきたします。
発熱、体重減少、関節痛、隆起性の紫斑(しはん)、末梢神経障害などの全身症状や血管炎の症状もみられます。
[検査所見]
赤沈亢進(こうしん)、CRP(C-reactive protein)強陽性、白血球増加などがみられますが、早期診断に重要なのは、初期に病変のみられる鼻や副鼻腔などの生検による病理組織学的検査です。また、プロテナーゼ3に対する好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)をみとめ、診断に有用です。
[治療]
結節性多発動脈炎と同様に多量のグルココルチコイド(パルス療法を含む)と免疫抑制薬(特にシクロホスファミド)が用いられます。腎不全に対して血液透析がおこなわれます。日和見(ひよりみ)感染を含む感染症を合併しやすいので、その予防対策を講じます。
顕微鏡的多発血管炎と同様にリツキシマブ(抗CD20抗体)がこれまでの治療で治りにくい症例につかわれます。
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