顕微鏡的多発血管炎〔けんびきょうてきたはつけっかんえん〕

 この病気でおかされるのは毛細血管や細静脈、細動脈などの細いサイズの血管です。また、おかされる血管の太さだけではなく、抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が陽性をみる点で結節性多発動脈炎と異なります。日本におけるこの病気の患者数はいまだ不明ですが、50歳以上の高齢者に多くみられ、男女比ではやや女性に多くみられます。

[症状]
 発症に先行して咽頭炎をみることがあります。
 原因不明の発熱や関節痛、体重減少などをきたし、それに加えて急速に腎臓の機能が悪化する、尿にたんぱくや異常な細胞が出現するなどの腎臓の障害がみられ、肺にも炎症が生じ(間質性肺炎)、肺出血などの症状をみます。そのほか、網目状の発疹(ほっしん)、紫斑(しはん)、手・足のしびれや動きがわるくなる(多発性単神経炎)などの血管炎による症状がみられます。

[検査所見]
 赤沈亢進(こうしん)、CRP(C-reactive protein)強陽性、白血球増加などとともに尿の異常所見や腎臓機能障害をみとめます。また、ミエロペルオキシダーゼに対するANCAが陽性になります。

[診断]
 臨床症状と検査所見、生検による特徴的な病理組織学的検査所見によります。

[治療]
 結節性多発動脈炎と同様に多量の副腎皮質ステロイド(パルス療法を含む)と免疫抑制薬(特にシクロホスファミド)が用いられます。そのほか、ガンマグロブリン大量投与や血漿(けっしょう)交換療法がおこなわれることがあります。最近、B細胞と呼ばれるリンパ球を特異的に攻撃する生物学的製剤、リツキシマブ(B細胞性悪性リンパ腫の治療薬)がこれまでの治療でよくならない患者に用いられるようになりました。腎不全に対しては血液透析がおこなわれます。感染症を合併しやすいのでその予防対策もします。
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