一酸化炭素(CO)〔いっさんかたんそ(CO)〕

 製鉄所のコークス炉や練炭などによる暖房で、CO中毒事故が起こります。COは血液のヘモグロビンに結びついて、血液の酸素運搬を阻害し組織が酸素不足で障害を受けます。頭痛、意識障害などが起こりますが、回復しても脳に障害が残ることがありますので、高圧酸素療法などがおこなわれます。
 なお、喫煙でもかなり高い濃度のCOを吸入することになりますが、その危険性は見過ごされ、あまり注意が払われていません。

(執筆・監修:帝京大学 名誉教授〔公衆衛生学〕 矢野 栄二)
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