医療・医薬・福祉

遺伝子・細胞製剤に特化したCMO/CDMO・サイト‐ファクト社           シリーズA第三者割当増資にて 11.8億円を調達

株式会社サイト-ファクト


わが国で唯一CAR-Tの商用製造の実績を誇る株式会社サイト-ファクト(本社:神戸市、代表取締役:川真田 伸、以下「CF社」)は、第三者割当増資による資金調達を行いました。
今回の資金調達では、ESG重視型グローバルベンチャーキャピタルファンドのMPower Partners GP, Limitedと、世界標準のバイオヘルスケアファンドを標榜するD3 LLC (D3バイオヘルスケアファンド) をリード投資家として、また、フォロワー投資家として、旭化成、三菱商事、神戸大学キャピタル、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルなど多くの事業法人、VCから出資を受け、資金調達額は総額11.8億円に達しました。

CF社の前身である公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構 細胞療法研究開発センター (RDC) は、Novartis社のCAR-T細胞療法・キムリア点滴静注(R) の商用製造をアジアで初めて実施し、スピンアウトして2023年4月に新たに事業活動を開始した後も、富士フイルム株式会社の再生医療等製品の治験製品の製造をはじめ、最新の細胞治療の開発を支えています。
また、遺伝子・細胞領域治療開発の分野におけるグローバル・リーダーとして、これまで代表取締役・川真田 伸を中心に同分野の技術開発に貢献してきました。
会社の設立後わずか1年ではありますが、今回の資金調達はCF社の将来に対する期待値の高さの結果と自負し、遺伝子・細胞製剤を必要とされている患者様の大切な健康を守るため、ESGの実装を含む社内基盤の強化に取り組みながら、今回調達した資金を活用して事業を拡大してまいります。


CF社が目指す遺伝子・細胞療法の世界 - 治療を必要とされるすべての患者様へ

国内やアジアに供給される遺伝子・細胞製剤を欧米で製造する場合は、患者様の組織や血液などが欧米の製造工場へ送られ、再び製品として日本やアジアに送り返されるため、輸送に膨大な費用がかかります。また、一般の医薬品とは異なり、遺伝子・細胞製剤の製造は自動化が進んでおらず、手動による製造や製造記録にかかる人件費などのコストにより遺伝子・細胞製剤の価格が高額となり、それが患者様の大きな負担につながっています。
私たちCF社は、遺伝子・細胞製剤の製造に不可欠な高度な知識と技術を持った人材を育成してまいりました。その人材の活躍が、わが国で唯一の国際的な製造基準(PICS/GMP)に基づく遺伝子・細胞製剤の商用製造に結びついています。これらの実績を基に、治療を必要とされるすべての患者様へ遺伝子細胞製剤をお届けできるよう、今後は以下に対して取り組んでまいります。

1.遺伝子・細胞製剤の商用製造の拡大・増強
遺伝子・細胞製剤を我が国の多くの患者様へお届けするためには、海外ではなく日本国内において製造する体制を整備することが必要です。CF社は、今回の資金調達を活かして、薬機法下での製造施設の管理・運営と拡充、製造の基盤を担う種々の人材の育成などをこれまで以上に推進いたします。さらに、海外の治験薬製造を行った実績を活かし、アジアの患者様に向けた遺伝子・細胞製剤の受託製造の「ハブ」 として機能できるよう、事業の一層の拡充を目指してまいります。


2.電子化によるコストダウンと環境への配慮
遺伝子・細胞製剤の製造分野においては、自動化や電子システム化が大きく立ち遅れています。CF社では、製造効率を高めるためクラウド型のDXシステム 「CytoFactory 4.0 (CF4.0)」 を開発しています。CF4.0は、製造/情報管理システムをall in oneに備え、在庫管理情報、製造工程記録、品質検査記録と承認プロセスを電子化することで、クラウド上で製造関連データの集積、紐づけ、統一化と、取得した製造情報の堅牢性の証明が可能となります。
また、CF4.0の導入により、工程における完全なペーパーレス化が実現でき、製造工程数、人件費の大幅なコスト削減につながることが期待されるだけでなく、製造や品質管理データの連携により工程自体の改訂作業や新製品の開発にも貢献します。さらには、紙ベースからクラウド上での記録に変えることにより、環境にも配慮してまいります。

新・経営体制について
CF社は、今回のリード投資家となったMPower Partners Fund L.P. より村上由美子氏に社外取締役として新たに参画いただき、D3 LLC・永田智也氏とともに社外取締役2名、社内取締役4名の経営体制として再スタートを切りました。調達した資金を効果的に活用し、上記2課題の解決に向け、役員・社員一丸となって事業活動を進めてまいります。

MPower Partners GP, Limited ゼネラル・パートナー 村上由美子氏のコメント
アジア全土のおいて唯一、再発・難治性の大細胞型B 細胞リンパ腫と闘う約200人の患者さんに対しNovartis社のKymriah(抗がん剤)を商用製造されてきたサイト-ファクト社に、ポテンシャルと意義を感じました。また、この実績を活かしたシステム開発(CF4.0)にもMPowerは期待しており、出資させていただきました。川真田博士の長年にわたる遺伝子細胞製剤の研究に基づくサイト-ファクト社が、営業部隊の補強や弊社含む投資家からの支援を通して、日本のみならずアジアにとって欠かせない医療インフラとなることを私たちは信じています。MPowerとしては、社内ガバナンスや医療廃棄物の最適化含むESGの実装を通して、サイト-ファクト社の成長を全力で支えてまいります。

D3 LLC (D3バイオヘルスケアファンド) マネージング・パートナー 永田智也氏のコメント
公益財団法人である神戸医療産業都市推進機構からスタートアップとしてスピンアウトし1年が経過しました。川真田博士が率いるサイト-ファクトはその実績・技術力では一日の長として世界に知られた存在でしたが、自走・成長する民間企業としてはまさに産まれたてほやほやのシードステージスタートアップとしてのスタートでした。弊社D3はスピンアウトから伴走させていただいておりますが、この1年間、経営・組織・財務・営業等の立ち上げに取り組んでこられてきました。公的機関からのスタートアップ・スピンアウトは国内外でも稀有なチャレンジです。まさに前例なき変革に挑戦した1年でしたが、サイト-ファクトの役職員は乗り越えてきました。「世界の最先端の遺伝子・細胞治療を日本の患者にも届ける、そして日本からも世界に貢献するような医療技術を開発できるインフラとしての責務を果たす」という志があってのことでしょう。その過程も高く評価頂き、世界的に活躍するVCであるMPower Partners様をリード投資家してお迎えすることができました。加えて、多くの投資家様からもご出資意向も賜り、事業会社として旭化成様・三菱商事様、金融機関としてSMBC VC様・みずほキャピタル様、大学VCとして神戸大キャピタル様にもご参画賜り、当初予定資金調達額を大幅に上回るシリーズA調達となりました。今回資金調達を通じ、サイト-ファクトは、サステナブルに成長する民間企業として、日本のみならずアジアをカバーする遺伝子・細胞治療CDMOとしての営業体制を強化していきます。また、グローバルメガファーマ品質基準の上市細胞製造経験に基づいた細胞製造DXプログラムの完全実装も推進します。さらに、引き続き、遺伝子・細胞治療開発製造のグローバル・リーダー*として、最先端の細胞製造技術の研究開発も進めてまいります。(*直近、本年5月のISCT(国際遺伝子・細胞治療学会)において川真田博士が講演を行います:iPSC Signature Series - ISCT 2024 (isctglobal.org) )

代表取締役 川真田 伸のコメント
昨年3月末に当社は公益財団法人神戸医療産業都市推進機構からスピンアウトし、お取引先を始めみなさまからのご支援をいただけたことで、無事に1年が経過しました。このタイミングで12億円近くの資金調達ができたことは、当社が実践する事業の重要性をご理解いただき、将来性への大きな期待を込めていただいた結果であると、大変感謝しております。
また、今回ESG重視かつグローバルに展開されているMPower様が新たにリード投資家としてご参画いただけたこと、更に前回資金調達から継続してD3様にご出資いただけたこと、VC、事業会社、商社と豊富な投資実績や事業経験をお持ちの投資家の皆さまにもご支援いただけましたことは、当社の信用力強化とともに、世界標準として認められる組織に成長するための足掛かりであると考えております。
遺伝子・細胞療法事業で世界のトップレベルを目指すことは当然ですが、その過程において事業運営の軸にESGやダイバーシティ促進を組み込みつつ、当社従業員の誰もが活躍できる環境と相互信頼醸成し、組織の競争力を高めてまいります。

当社について
遺伝子細胞製剤に特化し、CMO・CDMO事業、品質試験の受託、遺伝子細胞製剤の製造コンサルティングを行っています。

【これまでの実績】
キムリア点滴静注(R) の商用製造(前身の公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構 細胞療法研究開発センター)において実施)https://www.fbri-kobe.org/pdf/press20190129.pdf


自家滑膜間葉系幹細胞を用いた再生医療等製品(開発コード:FF31501)の治験製品製造
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/9142
富士フイルム株式会社のシーズであるFF31501について、半月板損傷を対象とする臨床第III相試験に用いる治験製品の製造実施。これまで、半月板損傷の患者様由来の滑膜から自家滑膜間葉系幹細胞由来の治験製品を出荷し、治験完了に大きく貢献している。


その他、国内外の遺伝子細胞製剤のシーズにおける治験製造やプロセス開発での細胞加工施設の提供や、QC試験の外注、各社へのコンサルティングなど、GMP準拠の環境下での最新の細胞治療の開発を支えている。



【会社概要】
社名:株式会社サイト-ファクト(英語名:Cyto-Facto Inc.)


本社所在地:神戸市中央区港島南町2-1-11 市民病院前ビル3階


代表取締役:川真田 伸


事業内容:細胞治療及び遺伝子治療製剤の研究、開発、製造及び販売


設立:2022年10月18日


従業員数:65名(2024年4月1日現在)


HP:https://www.cytofacto.com/



本件に関する問い合わせ先 info@cytofacto.com


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