内閣府調査事業の報告:遠隔医療アプリを活用した持続可能な小児オンラインかかりつけ医体制の構築
株式会社リーバー
小児科診療時間外の子育て世帯からのオンラインテキスト相談に対し、65%が「即時の医療受診不要」と医師が回答。子育て世帯のアプリ利用促進により医療費の削減効果も見込める。
内閣府地方創生推進事務局より、当社も参画したプロジェクトである「令和5年度先端的サービスの開発・構築や先端的サービス実装のためのデータ連携等に関する調査事業 結果概要」が発表されました。
(https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/supercity/pdf/4-R6-JIGYOUHOUKOKUGAIYOUBAN.pdf)
本報告では、概要をお伝えいたします。
【実証事業の全体概要】
事業目的:
小児かかりつけ医機能の促進と医師不足を補完することによる持続可能な小児地域医療体制の構築を目指し、遠隔医療アプリを活用することで、地域内外の医師が連携して時間外対応を行う体制(小児オンラインかかりつけ医)の構築とその有用性の検証を行いました。あわせて、遠隔健康医療相談やオンライン診療を活用することで、かかりつけ医機能の強化を図りつつ、休日・夜間救急医療施設への受診を適正化に向けた実証を行いました。
事業実施エリア:
茨城県つくば市、長野県茅野市
報告対象事業:2つ
1.小児オンラインかかりつけ医体制の構築
2.遠隔医療アプリを活用した適正受診・医療費削減に向けた実証
【1.小児オンラインかかりつけ医体制の構築】
取組概要:
茅野市とつくば市の小児科を対象として、診療時間外(平日、日曜、祝日の18:00~22:00)に、地域内外の医師(診療所と非常勤雇用契約)が遠隔医療アプリによるビデオ通話型の診療前相談とオンライン診療で対応する体制を構築。
※ 併せて、遠隔医療アプリ上に、保護者がテキストチャットで医師に相談できる体制を整備(患者の相談に一方向で一回限りの回答)。
患者のPHRやテキストチャット相談内容をオンライン診療に対応する遠隔地の医師に共有し、診療前相談やオンライン診療およびテキストチャット相談の情報は、遠隔医療アプリで小児科クリニックに共有。
実施期間・体制:
実施期間:令和5年10月~令和6年2月
協力診療所:茅野市2カ所、つくば市2カ所
協力医師:筑波大学附属病院医師6名
調査結果:
<遠隔医療アプリへの登録者数>(令和6年2月28日時点)
茅野市860人、つくば767人
<診療前相談・オンライン診療の実績>
アプリを利用したビデオ通話型の診療前相談・オンライン診療の実施件数は6件。
いずれも軽症であり、(対面診療ではなく)オンライン診療で対応が可能と判断。
また、患者の満足度も高く、小児の時間外対応におけるオンライン診療の有用性が一定示された。
一方、地域外の医師によるオンライン診療は、現地の夜間救急体制の事情等を対応医師が詳細に把握しづらいことから、オンライン診療後に急変した場合の対応について注意が必要であった。
<テキストチャット相談の実績・評価>
テキストチャット相談件数は、茅野市149件、つくば市76件。
茅野市では回答者の50%、つくば市では回答者の37%の利用者が、テキストチャット相談によって夜間休日外来を受診せずに済んだことが1回以上あったとアンケート回答。休日夜間のテキストチャット相談は、軽症者の不急の受診の適正化に寄与する可能性が示唆された。
<患者情報の連携>
患者のPHR情報や、オンライン診療に先立って行われたテキストチャット相談の内容は、特段の問題なく、オンライン診療に対応する医師と共有された。
また、テキストチャット相談、診療前相談、オンライン診療の情報についても、かかりつけ診療所の医師に共有することができた。かかりつけ診療所の医師からは、診療時間外に対応された情報が共有されることにより、日常診療に活かせるという肯定的な評価が得られた。
【2.遠隔医療アプリを活用した適正受診・医療費削減に向けた実証】
調査概要:
茅野市において小児オンラインかかりつけ医体制による医療費削減効果を検討し、有用性と課題を検証。
「小児療養給付費」、「小児福祉助成費」、「小児夜間急病センター事業費」、「遠隔健康医療相談費用」の費用に着目し、小児オンラインかかりつけ医体制が構築された場合の医療費削減効果を試算。
医療費削減効果の試算結果:
<前提条件>
調査1.の取組において、遠隔医療アプリの登録者数860人のうちテキストチャット相談を実施したのは149人(アプリ登録者の17.3%)
実施されたテキストチャット相談における医師の回答を分類すると、回答の約65%(「自宅での安静のお勧め」(22%)、「症状継続によりクリニックの受診をお勧め(自宅安静継続)」(43%))が即時の医療受診は不要としており、相談者はおおむね医師の回答どおりに対応した。
<試算結果>
上記の前提条件を踏まえ、茅野市で0~18歳の子を持つ4,738世帯全てが遠隔医療アプリに登録し、年間で7割(3か月利用率17.3%の4倍に相当)の世帯がテキストチャット相談を利用したと仮定。
これにより、約65%の医療受診が避けられたとするとすると、2,000回超の受診が避けられたと試算することができ、約10,000千円程度の費用が削減されることとなると試算できる。
株式会社リーバーについて:
株式会社リーバーは、医療のデジタル化を推進し、遠隔医療アプリケーションの開発・普及に尽力しています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
(https://www.leber.jp/)
メディアお問い合わせ先:
株式会社リーバー
info@leber.jp
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小児科診療時間外の子育て世帯からのオンラインテキスト相談に対し、65%が「即時の医療受診不要」と医師が回答。子育て世帯のアプリ利用促進により医療費の削減効果も見込める。
内閣府地方創生推進事務局より、当社も参画したプロジェクトである「令和5年度先端的サービスの開発・構築や先端的サービス実装のためのデータ連携等に関する調査事業 結果概要」が発表されました。
(https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/supercity/pdf/4-R6-JIGYOUHOUKOKUGAIYOUBAN.pdf)
本報告では、概要をお伝えいたします。
【実証事業の全体概要】
事業目的:
小児かかりつけ医機能の促進と医師不足を補完することによる持続可能な小児地域医療体制の構築を目指し、遠隔医療アプリを活用することで、地域内外の医師が連携して時間外対応を行う体制(小児オンラインかかりつけ医)の構築とその有用性の検証を行いました。あわせて、遠隔健康医療相談やオンライン診療を活用することで、かかりつけ医機能の強化を図りつつ、休日・夜間救急医療施設への受診を適正化に向けた実証を行いました。
事業実施エリア:
茨城県つくば市、長野県茅野市
報告対象事業:2つ
1.小児オンラインかかりつけ医体制の構築
2.遠隔医療アプリを活用した適正受診・医療費削減に向けた実証
【1.小児オンラインかかりつけ医体制の構築】
取組概要:
茅野市とつくば市の小児科を対象として、診療時間外(平日、日曜、祝日の18:00~22:00)に、地域内外の医師(診療所と非常勤雇用契約)が遠隔医療アプリによるビデオ通話型の診療前相談とオンライン診療で対応する体制を構築。
※ 併せて、遠隔医療アプリ上に、保護者がテキストチャットで医師に相談できる体制を整備(患者の相談に一方向で一回限りの回答)。
患者のPHRやテキストチャット相談内容をオンライン診療に対応する遠隔地の医師に共有し、診療前相談やオンライン診療およびテキストチャット相談の情報は、遠隔医療アプリで小児科クリニックに共有。
実施期間・体制:
実施期間:令和5年10月~令和6年2月
協力診療所:茅野市2カ所、つくば市2カ所
協力医師:筑波大学附属病院医師6名
調査結果:
<遠隔医療アプリへの登録者数>(令和6年2月28日時点)
茅野市860人、つくば767人
<診療前相談・オンライン診療の実績>
アプリを利用したビデオ通話型の診療前相談・オンライン診療の実施件数は6件。
いずれも軽症であり、(対面診療ではなく)オンライン診療で対応が可能と判断。
また、患者の満足度も高く、小児の時間外対応におけるオンライン診療の有用性が一定示された。
一方、地域外の医師によるオンライン診療は、現地の夜間救急体制の事情等を対応医師が詳細に把握しづらいことから、オンライン診療後に急変した場合の対応について注意が必要であった。
<テキストチャット相談の実績・評価>
テキストチャット相談件数は、茅野市149件、つくば市76件。
茅野市では回答者の50%、つくば市では回答者の37%の利用者が、テキストチャット相談によって夜間休日外来を受診せずに済んだことが1回以上あったとアンケート回答。休日夜間のテキストチャット相談は、軽症者の不急の受診の適正化に寄与する可能性が示唆された。
<患者情報の連携>
患者のPHR情報や、オンライン診療に先立って行われたテキストチャット相談の内容は、特段の問題なく、オンライン診療に対応する医師と共有された。
また、テキストチャット相談、診療前相談、オンライン診療の情報についても、かかりつけ診療所の医師に共有することができた。かかりつけ診療所の医師からは、診療時間外に対応された情報が共有されることにより、日常診療に活かせるという肯定的な評価が得られた。
【2.遠隔医療アプリを活用した適正受診・医療費削減に向けた実証】
調査概要:
茅野市において小児オンラインかかりつけ医体制による医療費削減効果を検討し、有用性と課題を検証。
「小児療養給付費」、「小児福祉助成費」、「小児夜間急病センター事業費」、「遠隔健康医療相談費用」の費用に着目し、小児オンラインかかりつけ医体制が構築された場合の医療費削減効果を試算。
医療費削減効果の試算結果:
<前提条件>
調査1.の取組において、遠隔医療アプリの登録者数860人のうちテキストチャット相談を実施したのは149人(アプリ登録者の17.3%)
実施されたテキストチャット相談における医師の回答を分類すると、回答の約65%(「自宅での安静のお勧め」(22%)、「症状継続によりクリニックの受診をお勧め(自宅安静継続)」(43%))が即時の医療受診は不要としており、相談者はおおむね医師の回答どおりに対応した。
<試算結果>
上記の前提条件を踏まえ、茅野市で0~18歳の子を持つ4,738世帯全てが遠隔医療アプリに登録し、年間で7割(3か月利用率17.3%の4倍に相当)の世帯がテキストチャット相談を利用したと仮定。
これにより、約65%の医療受診が避けられたとするとすると、2,000回超の受診が避けられたと試算することができ、約10,000千円程度の費用が削減されることとなると試算できる。
株式会社リーバーについて:
株式会社リーバーは、医療のデジタル化を推進し、遠隔医療アプリケーションの開発・普及に尽力しています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
(https://www.leber.jp/)
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(2024/04/26 18:21)
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