公益財団法人 日本国際交流センター
2024年の成果報告書を発表
2024年9月19日 ---世界エイズ・結核・マラリア対策基金 (グローバルファンド、事務局ジュネーブ) より、2024年の成果報告書が発表されました。グローバルファンドを支援するグローバルファンド日本委員会(公益財団法人 日本国際交流センター内、東京)より、成果報告書の概要について、グローバルファンド発表のプレスリリースとともに、以下の通り補足解説をいたします。
6500万:グローバルファンドのパートナーシップの支援で救われた命の数
(グローバルファンドが設立された2002年から2023年末までの数)
61%の減少:エイズ・結核・マラリアによる合計死亡率(2002年から2022年までの減少率)
73%の減少:
エイズ関連の死亡数(同上)
36%の減少:結核による死亡数(同上)
28%の減少:マラリアによる死亡数(同上)
*いずれもグローバルファンド支援対象国での統計
HIV/エイズ、結核、マラリア対策は大きく前進、その成果を数字が物語っています。支援対象国の保健医療サービスは、新型コロナウイルス感染症パンデミックによる混乱から完全に回復しました。
HIV/エイズ対策では、有効性の高い予防治療法の普及を推進し、より多くの人々に治療を提供しました。また2023年1年間で、一次選択薬の価格の25%低減を実現しています。これまで以上に人権侵害、ジェンダー不平等などの社会的障壁の克服にも取り組んでいます。
結核では、低・中所得国の結核対策に対する国際支援のうち、グローバルファンドの支援は76%を占めています。2023年には「見逃された」結核患者の発見と治療、迅速かつ正確な診断法の促進に努め、公平かつ費用効果の高い結核対策に取り組みました。また、薬剤耐性結核の治療の主流となる医薬品の価格の55%低減を実現しました。
マラリアでは、低・中所得国のマラリア対策に対する国際支援のうち、グローバルファンドの支援は62%を占めています。2023年には、マラリア予防と治療のための新しいツールへのアクセス拡大を実現しました。殺虫剤耐性を有する蚊に対してより高い効果が実証された二重有効成分を持つ新型の蚊帳の導入なども始まっています。
また、2023年には18億米ドルを保健システムとコミュニティ・システムの強化に投じました。単年の支援額としては過去最高額です。今後3年にわたり、保健・コミュニティ・システム強化に60億米ドルの資金を支援する予定です。保健システムの強化への支援は、エイズ、結核、マラリア以外の多様な疾病の対策にも貢献しています。
対象国・対象地域において、質の高い保健医療サービスと治療成果をもたらすことにとどまらず、次なるパンデミックへの備えの強化、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指しています。
世界中で危機が頻発し、気候変動による影響など複合的な状況下において、国境なき感染症、新たなパンデックに対応しうる保健システムの構築が急かれています。
グローバルファンド日本委員会による要約はこちらからご覧ください:
https://fgfj.jcie.or.jp/2024-09-19_results_report_2024/
日本とグローバルファンド
日本は現在グローバルファンドの第5位のドナー国です。グローバルファンドを通じて低・中所得国のエイズ・結核・マラリア対策と保健システムの構築を支援し、三大感染症の流行の終息に向けて、2002年からの累計で約48億6000万ドル(2024年8月時点)を拠出しています。日本が議長国を務めた2000年のG8九州・沖縄サミットで、感染症対策を国際的な主要課題として取り上げたことがグローバルファンド設立のきっかけとなったことなど、グローバルファンドは日本と深い関係にあります。
世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)
グローバルファンドは、エイズ、結核、マラリアを終息させ、すべての人に健康かつ安全でより公平な未来を築くための世界的なパートナーシップです。年間 50億米ドルを超える資金を調達し、最も影響が深刻な 100ヵ国以上における、最も致命的な感染症との闘い、感染症を助長する不公平の克服、保健システムおよびパンデミックへの備えの強化に投資しています。世界のリーダー、コミュニティ、市民社会、医療従事者、民間セクターと連帯し、最も効果的な方策を見出し、世界規模で展開しています。2002年の設立以来、グローバルファンドのパートナーシップの支援により 6500万の命が救われました。
グローバルファンド日本委員会(FGFJ)
グローバルファンド日本委員会は、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)を支援する日本の民間イニシアティブ。グローバルファンドに対する理解を促進するとともに、感染症分野における日本の役割を喚起し、政策対話や共同研究、国際シンポジウム、視察プログラムなどを実施しています。(公財)日本国際交流センターのプログラムとして運営されています。
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(2024/09/19 17:25)
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