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パソコンで長時間作業したり、スマートフォンを頻繁に操作したりする現代人の間で増えているストレートネック。文字通り、首の骨が真っすぐになっている状態を指し、「スマホ首」ともいわれる。首への負担が積み重なり、首や肩の凝り、頭痛などを引き起こすこともある。その原因や症状、対処法について、川崎市で「首の痛み・ストレートネックの研究所」を主宰する整体師の辰巳葉子さんに聞いた。
頸椎のカーブが失われるストレートネック
▽重い頭を支え切れず
首の骨(頸椎=けいつい)は本来、生理的湾曲といって、緩やかなカーブを描き、重い頭をバランス良く支えている。ストレートネックになると、この自然なカーブが失われ、首が真っすぐな状態になる。辰巳さんは「首のカーブには耐圧を分散するという重要な意味があり、正常な人なら頭の重さを体全体で支えることができます。このカーブが崩れると、首に重さが集中し、首回りにある筋肉や神経に大きな負担を与えてしまうのです」と説明する。
原因は、長時間のデスクワークやパソコンの作業などにより、首を前に出し、前かがみの姿勢を長く続けることにある。大人の頭の重さは4~5キロほどある。その重さを首だけで支えることで、頸椎のカーブが失われてしまうのだ。
ストレートネックになると、頭を支えるために首から肩の筋肉が常に緊張状態に置かれ、血流が悪くなり、首や肩の凝りを引き起こす。首の神経の圧迫により、頭痛や手のしびれ、抑うつなどの症状が表れることもある。
▽タオル枕で改善
「ストレートネックは日常生活における姿勢の悪さが原因です。生活習慣を見直さなければ、根本的な解決にはなりません」と辰巳さん。
とはいえ、パソコンやスマホは現代人の必需品。使用を控えるのは難しい。そこで辰巳さんが簡単で有効な改善方法として提案するのが、タオル枕による矯正法だ。タオル枕は、バスタオルを4分の1に折ってから筒状に巻けば完成。枕を首の下に置いて、5~10分間あおむけに寝てリラックスする。すると自然に首の緊張がほぐれ、本来の頸椎の自然な曲線を取り戻すことができる。
辰巳さんは「就寝前に行うことをお勧めします。体に正しい位置を覚えさせるためにも、毎日続けることが大切です」と強調する。
同時に、前かがみの姿勢を見直すことも重要だ。「長時間座るときには、頭が前方に出ないよう、骨盤を起こし、上半身をその骨盤の上にストンと乗せるようにしましょう。お尻の穴と頭のてっぺんを真っすぐな線で結ぶようなイメージです」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/03/31 07:00)
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