頭痛〔ずつう〕 家庭の医学

 子どもにも、頭痛はよくある病気です。かぜや発熱で頭が痛くなるのはよくみられることですが、吐き気を伴っていたり、くびのうしろがかたい、意識がはっきりしないような場合には、脳腫瘍脳炎髄膜炎の可能性も考えます。

■片頭痛
 頭のわきのほうにズキンズキンという痛みがきます。体質的なもので、家族にも同じような頭痛を起こす人がいることが多いようです。頭痛がくる前に目の前がキラキラしたり、まっ暗になったりすることもありますが、子どもでははっきりしないことも多いです。頭痛は数時間続くこともあります。のみ薬で治療します。

■緊張性頭痛
 頭のうしろのほうを中心にひろがる頭痛で、重い感じがします。くびや肩の筋肉が凝っていることが多く、疲れやストレス、姿勢なども影響します。
 のみ薬も有効ですが、緊張をほぐしたり、ゆっくり休むことも必要です。

■起立性調節障害
 思春期前後に多い自律神経失調症で、朝起きられない、午前中調子がわるい、立ちくらみがするなどの症状に加え、頭痛、腹痛なども起こします。
 午前中に多く、頭が重くボーッとした感じになります。ほかの症状とあわせて診断します。自律神経調節薬が有効です。身体症状についてくわしくは起立性調節障害を参照ください。

■心因性頭痛
 いろいろな頭痛症状を起こします。前記した頭痛の典型的な症状でなく、悩みごとやストレスがあるかどうかなど日ごろのようすも診断の参考になります。

■目の異常
 緑内障、近視、特に左右の視力が違うなどの目の病気や疲れからも頭痛がします。目の奥のほうから、頭の前のほうにかけて押されるような痛みです。

■鼻の異常
 副鼻腔(くう)炎(蓄膿症)や鼻炎で、頭の前のほうに重い痛みがきます。

【参照】脳・脊髄・末梢神経・筋の病気:頭痛

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