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子どもの頃に肥満だと、大人になっても肥満になりやすく、将来、2型糖尿病や心筋梗塞を発症するリスクが高まることが分かっている。これを防ぐには、幼児期の早い段階に肥満予防や生活習慣の改善を始めることが重要となる。東京女子医科大学東医療センター(東京都荒川区)小児科の杉原茂孝教授に、小児期の肥満の予防や対策について聞いた。
子どもの肥満を防ぐために心掛けたいこと
▽肥満が心筋梗塞の発症リスクに
実際の体重が標準体重(性別、年齢別、身長別)に対して何%上回っているかを示すのが「肥満度」で、幼児で15%、学童で20%以上だと肥満とされる。肥満児のうち、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、脂質異常症、高血圧、耐糖能障害、内臓脂肪型肥満などがあると、治療が必要な「肥満症」と診断される。
国内では食事の欧米化や生活スタイルの変化により、1980年から2000年にかけて子どもの肥満が急激に増加した。食育や学校健診などによって、00年以降やや減少傾向にあるものの、現在でも約10%が肥満だ。
子どもの肥満の場合、早い段階で体重を気にして肥満度を増やさないことが、将来の糖尿病や心筋梗塞などの発症予防につながるという。
「学童期の肥満は幼児期から始まるケースが多いのですが、母親が妊娠時に肥満や妊娠糖尿病などを合併していれば、胎児期から影響を受けます。学童期、思春期の肥満は、成人の肥満に移行する割合が高いため、特に注意が必要です」と杉原教授。
▽親が健康的な生活を
治療の基本は食習慣の改善と運動だ。子どもの生活習慣は親の影響が大きく、協力が不可欠となる。杉原教授は「早寝、早起き、朝ごはんを食べることを心掛け、早食いや給食のお代わりをしない、夜9時以降に食事をしない、間食に甘いおやつを食べないなどの習慣を身に付けましょう」と話す。
外遊びをせず、ゲームをする時間が長かったり、睡眠時間が短かったりすると肥満になりやすい。ゲームに費やす時間を制限し、外遊びやドッジボールなど軽度の負荷がかかる運動をして、減量の目標を定めて記録を付けることもポイントだ。
「肥満の子どもは、親が生活習慣病や肥満であることも少なくありません。親が健康的なライフスタイルを維持することが、子どもの規則正しい生活習慣、ひいては肥満抑制につながります。家族ぐるみの取り組みが大切です」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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