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眼瞼(がんけん)ミオキミアは、まぶたが突然ピクピクとけいれんする病気で、日本語では眼輪筋波動症とも呼ばれている。大半が一時的なもので治療の必要はないが、他の病気の一症状として表れることもあり、長期に続く場合は注意が必要だ。清沢眼科医院(東京都江東区)の清沢源弘院長は「似た症状を示す眼瞼けいれんや片側(へんそく)顔面けいれんの場合もあるので、自己診断は禁物です」と呼び掛ける。
▽大半は治療不要
まぶたを動かす筋肉は、目の周囲にある眼輪筋の他に、上まぶたを引き上げる上眼瞼挙筋、ミュラー筋がある。それぞれ顔面神経、動眼神経、交感神経という異なる神経が支配し、入れ替わりながらまばたきが行われている。ところが神経に異常が生じると、入れ替えがうまくできなくなり、けいれんするという。
長引く場合は眼科で詳しい検査を
眼瞼ミオキミアでは、まぶたの下にある眼輪筋が、さざ波のようにピクピクと動く。清沢院長は「下まぶたの外側に起こることが多いのですが、上まぶたに見られることもあります。時間にすると数秒から1分ほどで、通常は片側のみに起こります」と説明する。症状はまぶたのけいれんだけで、部位が広がることはない。
寝不足やストレス、眼精疲労、カフェインやアルコールの摂取などが原因とされ、大半が一時的な症状で治療の必要はない。「目の周囲を温める、睡眠を十分に取りカフェインやアルコールの摂取を控えるなどで症状が改善されます」と清沢院長は話す。
▽似た病気との区別が肝
眼瞼ミオキミアと似た症状を示す病気もある。眼瞼けいれんや片側顔面けいれんなどがそうだ。「眼瞼けいれんは、まぶたのけいれんに加えて目が不快で開けていられない、まぶしいなどの症状があり、ドライアイと間違えられることもあります。片側顔面けいれんは、顔の片側の筋肉がけいれんして引きつり、目がウインクをしたような表情になるのが特徴です」と清沢院長。治療にはこれらを区別することが重要なため、同院では、眼瞼ミオキミアと眼瞼けいれんを区別する問診票や、まばたきのテスト、頭部の磁気共鳴画像装置(MRI)検査などで診断を行っている。
眼瞼ミオキミアは、まぶたの炎症や角膜の傷、逆さまつげなどによって表れることもある。清沢院長は「まぶたのけいれんが2週間以上続く場合は、眼科で詳しい検査をしてください」と勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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