治療・予防 2024/11/18 05:00
筋肉の硬直やけいれん
~スティッフパーソン症候群(徳島大学病院 松井尚子准教授)~
サーフィンは危険なスポーツと思われがちだが、2020年の東京五輪で公式競技に採用されたこともあり、競技人口の増加が期待されている。自身も波乗りを楽しみ、プロサーファーの競技連盟の公式サポートドクターでもある整形外科医の稲田邦匡医師に、サーフィンを安全に楽しむためのコツを聞いた。
サーフィンを安全に楽しむには、海でのルールやマナー、知識の習得を
▽サーフィンにも医学を
千葉県南房総市の七浦診療所や勝浦市などの診療所に勤務する稲田医師は、多くのプロサーファーたちと交流するうち、彼らがけがや障害への対処法や予防法を知らないことに大きな疑問を抱いた。「彼らが世界で活躍するためには、チームドクターが当たり前に存在する野球やサッカーのように、スポーツ医学としてサーフィンを研究する必要性を感じました」と語り、「サーフィンに医学のメスを!」をモットーにライフワークとして取り組んでいる。
サーフィンのスポーツ医学研究によると、プロ選手の外傷としては膝や脚など下肢の靱帯(じんたい)損傷や脱臼・骨折の報告が多い。一方、アマチュアの場合は切り傷や擦り傷、打撲などが多くなる。慢性障害としては、長時間のパドル動作による肩の周りや腰部の痛みなどが主となる。
また、長年サーフィンをしている人は、紫外線によるダメージで起こる目の障害や、耳が冷水にさらされることに対する防御反応であるサーファーズイヤー(外耳道外骨腫)にも要注意だ。これらはサングラスやイヤープラグ(耳栓)の着用で予防できるという。
▽指導を受けてから海へ
それでも、稲田医師は「サーフィンは安全に楽しめるスポーツ。初心者はぜひともサーフショップで開催しているサーフスクールで指導を受けてください。海でのルールとマナー、海の知識を学ぶことで大半のけがや障害は防げます」と説く。例えば、「ワンマン・ワンウエーブ(1本の波に乗れるのは1人だけ)」という世界共通のルールを知り、海底の地形や潮の流れを事前に確認しておくこともその一つだろう。
最近、稲田医師の活動に感銘を受けたサーフィン愛好家の医師たちも研究に取り組み始めているという。海に囲まれた日本に真の意味でサーフィンが根付き、より多くのプロ選手が世界で活躍する日も、そう遠くはないかもしれない。(メディカルトリビューン=時事)
(2019/10/08 16:30)
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