骨腫〔こつしゅ〕 家庭の医学

 骨の増殖による腫瘍で、骨の内部にみられる中心性骨腫と骨の外側にみられる外骨性骨腫とがあります。症状はほとんどなく、大きくなってからあごのかたちが変わったり、歯並びの異常が起こって自覚することが多いようです。同様な病気に外骨症、内骨症と呼ばれる骨の部分増殖症があり、骨腫との区別がむずかしい場合が多いです。
 口蓋(こうがい)隆起や下顎隆起が代表的なもので、いずれの場合も、症状がなければ放置して経過を観察してもよいのですが、出現部位によっては傷がつきやすくなったり、入れ歯の作製の際にじゃまになったりするなど、あごに特有の理由により手術が必要となる場合があります。発音の障害やいびき、睡眠時無呼吸の原因になることもあります。


(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
(執筆・監修:自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第2講座 教授〈歯科口腔外科学〉 森 良之)
(執筆・監修:田賀歯科医院 院長/JR東京総合病院 歯科口腔外科 田賀 仁)
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