治療・予防 2024/12/27 05:00
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中高年女性に起こりやすい尿失禁は生活の質を低下させる症状にもかかわらず、「年だから仕方ない」と諦めている人も少なくない。その原因や治療について、順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)泌尿器科女性泌尿器外来の高澤直子医師に聞いた。
◇出産、肥満がリスクに
「骨盤底筋へのダメージが加わる出産経験者、肥満、慢性的な便秘やせきなど、日常的にかかる腹圧もリスクとなります」
◇困ったら受診を
尿失禁があっても、恥ずかしくてすぐに病院を受診せず、パッドで対処している人も少なくない。しかし、別の病気が隠れていることもあり、また、ぬれたパッドでかゆみが出るなどのトラブルが起こることもある。
高澤医師は「尿漏れの量にかかわらず、困っている人は一度泌尿器科を受診してほしい」と話す。検査は尿検査、残尿測定、尿漏れ量の測定など体に負担のかからないものから行い、他の病気の有無や陰部の内診、排尿時刻・量の記録などを踏まえて診断する。
治療は腹圧性、切迫性ともに骨盤底筋体操が有効で、「尿失禁の改善、予防にも役立ちます」と高澤医師。ただし、間違った方法で継続しても効果が見込めないため、「正しい方法でやることが大切。骨盤底筋体操外来を開設しているクリニックなどもあるので相談するのも良い方法です」。
そのほか、腹圧性尿失禁は、1センチほどのメッシュ状のテープを尿道の下に通す中部尿道スリング手術(TVT手術、TOT手術)の治療効果が高い。切迫性尿失禁では、骨盤底筋体操に加え、ぼうこうの容量を増やす訓練、薬の治療を組み合わせるなど、タイプや程度によって治療法を選択する。
高澤医師は「中高年女性は仕事や家庭を優先し、自分の体のことは後回しにしがちです。健康寿命を延ばすためにも、尿漏れを我慢せず、アクティブな生活を送ってほしい」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2017/03/18 15:47)
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