治療・予防

「妖精のような顔つき」が特徴
難病指定のウィリアムズ症候群

 ウィリアムズ症候群は、第7染色体の一部が欠けてしまう遺伝子の病気で、妖精のような顔つきが特徴だ。東京女子医科大学(東京都新宿区)循環器小児科の成人先天性心疾患病態学寄付研究部門の中西敏雄特任教授は「さまざまな症状が表れるので、生涯にわたり十分な治療とケアが必要です」と話す。

 ◇明るく、話し好き

 ウィリアムズ症候群は極めてまれな病気で、日本では2万人に1人、欧米では7500人に1人の割合で発症するとされている。

 西洋のおとぎ話に登場する妖精のような顔つきが特徴的で、大きな口、腫れぼったい目、低い鼻筋、ふっくらとした唇を持つ。性格は明るく、非常に親しみやすい。話し好きで、知らない人にもためらわず話し掛ける。音に対して敏感で、中西特任教授によると「音楽は好きだが、テレビから流れるバラエティー番組などの音は嫌う」という。

 患者の多くは精神発達の遅滞を伴い、学童期には支援学級に在籍することになる。成人期になると、通常は支援環境の整った作業所などで社会生活を送ることになる。複雑なことに対応するのは難しいが、厨房(ちゅうぼう)から客席までコーヒーを運ぶウエーターのような仕事は可能だという。

 ◇周囲の支援と理解を

 問題となる症状は、大動脈や肺動脈の付け根部分が狭くなるような心血管疾患だ。心血管疾患は、乳幼児健診時に行う心音の聴診で発見されることが多く、重症の場合、カテーテル治療や手術を行うこともある。

 発達外来を含め小児科を中心に診療していくが、高血圧などの生活習慣病を早くから発症しやすいこともあり、生涯にわたって全身の管理に注意を払う必要があるという。

 ウィリアムズ症候群は小児慢性特定疾病に指定されており、従来、小児については国から医療費が助成されていた。2015年7月には難病に指定され、成人患者にも医療費助成の恩恵が及ぶようになった。

 中西特任教授は「ウィリアムズ症候群の患者は発達障害はありますが、明るい性格から社会に溶け込むことができ、結婚する方もいます」と話す。健康な人と結婚した場合、2分の1の確率で子どもに同じ病気が発症する可能性があることについては「遺伝カウンセラーと相談するのがよいでしょう。周囲の人の支援と理解が何より大切です」と強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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