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現代人の日常生活に欠かせないスマートフォンはゲームなどで使い過ぎるとさまざまな健康障害を起こすことがある。物をつかんで持ち上げた時などに肘がズキンと痛む「スマホ肘」もその一つ。予防法などを福井大学医学部整形外科(福井県永平寺町)の大木央講師に聞いた。
スマホ肘(上腕骨外側上顆炎)の自己チェック方法
▽腕と肘の結合部で炎症
大木講師によると、スマホ肘のほとんどは、上腕骨外側上顆(じょうか)炎か上腕骨内側上顆炎という病名で診断される。前者は手首を手の甲側に反らす腕の筋肉が肘の骨に付着する所で炎症を起こす。後者は手首を手のひら側に曲げる腕の筋肉が肘の骨に付着する所で炎症を起こす。一般的には、上腕骨外側上顆炎の方が多い。
症状について、「上腕骨外側上顆炎の場合は、手のひらを下に向けて物を持ち上げた時やドアノブを回す、タオルを絞るなどの動作で肘の外側に痛みが出ます。上腕骨内側上顆炎の場合は、手のひらを上に向けて物を支えた時などに肘の内側(小指側)が痛みます」と大木講師は説明。こうした動作をしなければ痛みは出にくい。
▽長時間のスマホを避ける
原因はスマホの使い過ぎだ。「画面に指をタッチしたままスライドさせる、親指を動かす動作を頻繁に長時間続ける、あるいはスマホを手で長時間支え持つことで肘に負担がかかり、炎症が起こって痛みが発生するようになります」と大木講師。
治療は「局所の安静、つまり長時間のスマホ操作を避けることが最も大切です。それで良くならなければ、痛みがひどくならないうちに整形外科を受診してください。難治性の場合は手術が必要になることもあります」。
予防も長時間のスマホ操作を避けることが重要だ。さらに「スマホを置いて操作するスタンドやホールドリングを使う、パソコンと使い分けるといった工夫も効果があります」とアドバイスする。
自己チェックは、手のひらを下に向けて腕を伸ばした状態で椅子、かばんなどを持ち上げる。肘の外側に痛みが出れば上腕骨外側上顆炎だ。逆に手のひらを上に向けて持ち上げた時に肘の内側に痛みが出れば、上腕骨内側上顆炎の可能性が高い。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/09/11 05:00)
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