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女性の4人に1人はあるとされる子宮筋腫は良性腫瘍であり、無症状なら問題ないが、過多月経や生理痛といった症状に悩まされる人は少なくない。子宮の全摘術や、筋腫を取り除く核出術のほか、切らない治療として2014年に保険適用されたのが子宮動脈塞栓術(UAE)だ。調布keijinkaiクリニック(東京都調布市)の瀧康紀副院長に聞いた。
▽術後の回復が早い
UAEは、子宮に栄養を送る血管を遮断し、筋腫を壊死(えし)させる。足の付け根から血管にカテーテルを通し、塞栓物質で血流を止める。“兵糧攻め”で筋腫が徐々に小さくなり、術後1年程度で平均3~4割程度まで縮小し、さまざまな症状が改善する。
開腹手術に比べ体の負担が少なく、術後の回復も早いのが特徴。「3泊4日程度の入院で、術後1週間ほどでデスクワークが可能。2週間後には運動もできるようになります」
最大のメリットは、術後の早い段階から症状の改善が期待できること。瀧副院長によれば、過多月経や生理痛といった月経症状からは、術後1回目の生理から解放される場合がほとんどだ。また筋腫が多発しているケースでも、UAEなら根絶できる。
「多発性の筋腫は再発も多いのですが、UAEは2度、3度と行うこともできます。根本治療は子宮全摘術ですが、子宮を取りたくない人やおなかを切りたくない人には、UAEは選択肢の一つになります」
▽多発筋腫を一網打尽
妊娠を希望する場合は、原則としてUAEは適応外。卵巣や子宮粘膜がダメージを受ける可能性があるためだ。しかし、国外では、UAE後に妊娠・出産するケースも多く報告されており、瀧副院長も数十例で経験しているという。
一方、非常にまれだが、UAE後に子宮内で感染が起き、子宮を全摘せざるを得なくなるケースもある。瀧副院長によれば、筋腫が子宮の内側にあると感染リスクがより高くなるという。
「それでも、筋腫が小さければ筋腫核出で対処できる場合がほとんどです。当院では、内側の筋腫は直径8センチまで、経産婦なら10センチまでがUAEの適応です。いずれにしても、大き過ぎる筋腫は十分な効果が期待できません。早めの受診が大切です」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/11/01 05:00)
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