過多月経〔かたげっけい〕 家庭の医学

 過多月経は、月経血量が異常に多いもの、と定義されています。具体的には、経血量が140mL以上の場合に過多月経といいます。
 器質性の疾患を原因とするものとしては、子宮筋腫によるものが多く、ほかに子宮内膜過形成、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎、子宮内避妊リング(IUD)(子宮内避妊用具(IUD)/子宮内避妊システム)などの子宮内異物があります。
 また、血小板減少症や全身性疾患に伴う出血傾向なども原因となります。
 エストロゲン産生過剰による子宮内膜の異常増殖や、自律神経系の失調も過多月経を起こします。過多月経が続くと貧血になることがあり、貧血の治療が必要となります。器質的な疾患に対しては、手術やホルモン療法が、ほかの原因によるものにはホルモン療法がおこなわれます。

(執筆・監修:聖路加国際病院 女性総合診療部 部長 平田 哲也)
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