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大阪大学大学院薬学研究科付属創薬センター(大阪府吹田市)の中澤敬信特任准教授らは、統合失調症の発症に脳内のタンパク質の不足が関係していることをマウスの実験で突き止めた。新たな治療薬の開発の足掛かりになると期待されている。
統合失調症は100人に1人ほどが発症する頻度の高い病気だ。幻覚や妄想、意欲低下、感情の平板化などが特徴的な精神疾患で、記憶や思考、行動などにも障害が表れやすい。発症は10代後半~30代が多く、慢性の経過をたどる。
脳は、神経細胞同士をつなぎ、情報伝達の役割を持つ「シナプス」という接合部が増えることで発達する。統合失調症はこれまで、このシナプスに異常が発生することが原因の一つと考えられてきた。
中澤特任准教授らの研究グループは、脳内に多く存在する「ARHGAP33」というタンパク質に着目して研究を進めたところ、このタンパク質がシナプスの形成と機能に関わる「TrkB」という物質の輸送に関係していることが分かったという。
(2017/06/15 12:10)
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