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がん研究振興財団の2014年版「がんの統計」によると、日本の皮膚がん患者数は10万人当たり11.6人。希少がんの分類に入るが、実は2000年代に入って患者数は倍増している。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)皮膚腫瘍科の山崎直也科長は「高齢化が進んだことにより、皮膚がんの患者数も増えているのです」と語る。
皮膚がんにも多くの種類があるが、大きく分けてメラノーマ(悪性黒色腫)と非メラノーマの2種類に分類される。メラノーマはがんの中でも生死に関わることが多い。
一方、非メラノーマの代表は基底細胞がんと有棘(ゆうきょく)細胞がん(皮膚扁平=へんぺい=上皮がん)だ。基底細胞がんは表皮の最下層にある基底層で発生するもので、皮膚がん全体で一番多い。次に多いのが有棘細胞がんで、基底層の上にある有棘層に生じる。
基底細胞がんはほとんどの人が首から上、特に顔の「Tゾーン」と呼ばれる目と鼻の周りにできる。原因は主に紫外線で、長期間紫外線を浴びた結果として発症するので高齢者に多いのが特徴。
大きさは5~10ミリくらいのことが多く、周囲は黒く堤防状に盛り上がり、中心部は赤くて血が出やすくかさぶた状態を繰り返す。ほぼ転移しないので命の危険は少ないが、見た目以上に深部に広がっているため、切除する際にがん細胞を残すと再発の恐れがあるのに加え、「目元や鼻に出るので、切除には細心の注意が必要」と山崎科長は話す。
(2017/06/18 11:38)
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