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子どもの寝付きの悪さと睡眠時間、ゲーム時間、自己肯定感などの関係について、このほど富山大学の研究チームが調査結果を発表した。結果を分析した同大地域連携推進機構地域医療・保健支援部門の藤村裕子コーディネーターに話を聞いた。
日中に眠気や疲労感
◇長時間睡眠、ゲーム時間が影響
藤村さんらは、1989年生まれの富山県在住の児童約1万人を対象にした調査の中から、中学1年時の生活習慣と床に就いてから眠るまで30分以上かかる「入眠困難」との関係について研究した。
その結果、一般的な中学生の適正な睡眠時間を8~9時間未満とした場合、男女ともに10時間以上の長時間睡眠で寝付きが悪い傾向が見られた。
この背景には▽ストレスによる自律神経の乱れ▽不規則な生活習慣による体内時計のずれ▽不眠症やうつ病などの影響で、長時間寝ないと疲れが回復しない▽長時間寝ても睡眠の質が悪い―などが考えられるという。
またゲーム時間が毎日1時間未満の子どもに比べ、男女ともに2~3時間未満で寝付きが悪い傾向が見られた。「ゲームをすると興奮して交感神経が優位になったり、画面のブルーライトの影響で体内時計が1~2時間後ろにずれたりします」
◇生活整え睡眠改善を
自分の価値や存在意義を認める感情(自己肯定感)が低いグループでは、高いグループと比べて寝付きが悪かった。子どもの就寝時間に関心がない、ゲームを長時間していても気にしないなど、親の無関心により子どもの自己肯定感が低くなり、睡眠に影響するという。
「睡眠不足になると、起きたときの気分が悪く、調子が悪いまま登校することになります。日中に眠気や疲労感が表れ、成績が悪くなるなど、自己肯定感がさらに下がります」
子どもの生活習慣を改めるためには、親が現状を見直し、睡眠環境を良くしていくことが必要だ。
改善するべきこととして藤村さんは▽起床と就寝の時刻を一定にし、朝食をしっかり食べる▽朝は太陽の光を浴び体内時計のスイッチを入れる▽早く起き、早く寝るようにする▽夕食や入浴後は、就寝に向けストレッチをするなど心身をリラックスさせる▽就寝前の携帯、ゲーム遊びをやめる▽寝室を真っ暗にして眠る―といった点を挙げている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/12/31 05:00)
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