不眠症〔ふみんしょう〕 家庭の医学

 睡眠時間が減少し、苦痛を感じたり日中の活動に影響するのが不眠症です。不眠症の原因にはいろいろなものがあります。

■精神疾患に伴う不眠症
 統合失調症気分障害、特にうつ病、神経症(神経症性障害)など多くの疾患で不眠が出現します。それぞれの項目を参照してください。

■内科的疾患に伴う不眠症
 発熱をきたす疾患(感染症など)、疼痛(とうつう)をきたす疾患、高血圧症、いろいろな内分泌疾患(ホルモンの病気とは)など多くの病気で不眠が出現することがあります。それぞれの項目を参照してください。

■環境に原因する不眠症
 騒音、振動、明るさなど睡眠を妨害するような環境にあっては不眠が出ることがありえます。

■アルコール・薬物による不眠症
 アルコールの摂取や離脱により不眠が生じることがあります。また薬物によっては摂取により不眠が生じたり(カフェインなど)、離脱により不眠が生じたりするものがあります(睡眠薬など)。

■精神生理性不眠症
 なんの原因もないのに生じる不眠で神経質な人によくあらわれます。寝床が変わるといった睡眠条件の違いや、ささいな心配事などが原因となります。睡眠にこだわり治療を求める場合もありますが、特別な治療は要しません。

■その他の不眠症
 睡眠中に何度か呼吸がとまってしまう(睡眠時無呼吸症候群)、床につくと足がむずむずしてじっとしていられなくなる(むずむず足症候群)、足がぴくっと動くために眠れなくなる(睡眠時ミオクローヌス)などがあります。後二者は高齢者に多くみられる症状で、薬物療法が適応されることもあります。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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