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健康のために生活習慣を改善することが良いのは分かるが、どの程度やれば効果があるのか―。そんな疑問に答える研究成果が明らかになった。国立国際医療研究センター(東京都新宿区)グローバルヘルス政策研究センターの磯博康センター長に話を聞いた。
生活習慣病合併数と生活習慣改善による寿命延長効果
◇八つの生活習慣を調査
日本人の死亡原因はがん、心臓病、脳血管疾患の三つでほぼ半数を占める。いずれも生活習慣が深く関係している病気で、「生活習慣を改善すれば、寿命を延ばせる可能性がありますが、具体的な寿命延長効果はこれまで十分検討されていませんでした」
磯センター長らは寿命延長効果について、改善した生活習慣の項目数別、生活習慣病の有無・合併(複数保有)数別、年齢別に解析した。生活習慣については、果物の摂取、生鮮魚介の摂取、乳製品の摂取、運動または歩行、適正体重の維持、適量飲酒、非喫煙・禁煙、適正な睡眠時間の8項目を調べた。
◇生活習慣病があっても
対象は40~79歳の日本人約4万6000人。健診データと死亡診断データから、生活習慣の改善による寿命延長効果を推算した。
その結果、寿命延長効果は改善した生活習慣の項目数が多い人ほど大きかった。年齢も若いほど大きかった一方、80歳以上でも効果が認められた。全年代で生活習慣病の合併数が多い人ほど効果は大きかった。
例えば、3疾患以上の合併がある場合、6項目以上の生活習慣を改善した人は2項目以下の人に比べ、調査時年齢が50歳で8.7年、65歳で7.2年、80歳で3.8年、それぞれ寿命が延長すると推定された。
ただし、3疾患以上合併している人はもともと予後不良であるため、生活習慣改善による寿命延長効果があっても、生活習慣病がない人に比べると平均寿命は約15歳短かった。しかし、それも生活習慣の改善によって最大約6歳の差まで縮めることができる。
磯センター長は「高齢の人、生活習慣病を合併している人も、生活習慣の改善で寿命を延ばすことができます」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/01/26 05:00)
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