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まぶたの裏に砂のような小さな粒が生じる結膜結石は、初期は無症状だが次第に「ごろごろ感」が生じ、痛みを伴うこともある。黒目を覆っている角膜を傷つける恐れもあるので、違和感が続くようであれば眼科を受診したい。
◇慢性の結膜炎も原因に
眼球の表面の白い部分や上下のまぶたの裏側は、結膜と呼ばれる薄い膜で覆われている。結膜からは、黒目の表面を覆う涙の膜の安定性を保つ物質ムチンが分泌され、目の乾燥を防ぎ、目の表面を守っている。
結膜結石は、結膜の表面の所々にあるくぼみに、古くなって脱落した結膜上皮細胞がたまり、石灰化して起こる病気だ。
曽谷眼科(神戸市)の曽谷治之院長は「初期では症状は表れませんが、少しずつ結膜の表面に移動して露出することがあります。そうすると、まばたきのたびに結膜や黒目を覆う角膜とこすれ、ごろごろとした感じや異物感、痛みが生じるようになります」と説明する。
結石が形成される原因は不明。結膜炎の慢性化で炎症があったり、重症化で組織が損傷して瘢痕(はんこん)という跡が残っていたりする結膜に結石が見られるという。若い患者は少ない。また、年々結石の数が増える人もいる。
「慢性的な結膜炎の背景には、アレルギー症状やドライアイが潜んでいることも少なくありません」と曽谷院長は語る。
◇露出したら手術で除去
治療は眼球に触れるほど結膜の表面にまで結石が露出している場合は手術で取り除く。手術は点眼麻酔を施してから注射針のような細い針で露出した結石を除去する。通常2~3分で終わり、当日に帰宅できる。手術後は血がにじむことがあるが、自然に止まるので眼帯も必要ない。結膜の奥の方にある結石は取り除く必要はないが、新たに露出した結石はそのたびに手術で取り除くことになる。
「多くの場合、結石が形成されても症状はなく、自分で鏡を見て結石に気付いても症状がなければ心配はありません。ただ、異物感が出てきたら早めに眼科を受診してください」と曽谷院長は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2016/09/18 13:20)
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