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大学病院を中心に「セカンドオピニオン外来」をよく目にするようになった。現在受けている処方や今後の治療などについて、別の医療機関の医師に「第二の意見」を求めること。多くの診療科の中でも、精神科のセカンドオピニオンは他科とは異なる特徴があるようだ。精神・神経科のセカンドオピニオン外来を設置する慶応義塾大学の三村将名誉教授に、受診のポイントを聞いた。
別の医療機関の医師に意見を求めるセカンドオピニオン
◇検査や治療は行わない
セカンドオピニオンの始まりは1970年代の米国で、保険会社が医療費を抑える目的で手術の可否について別の医師に意見を求めたことだと言われている。日本では90年ごろからがんを対象に行われるようになり、現在ではさまざまな診療科の病気が対象になっている。
慶応大病院のセカンドオピニオン外来は、ほぼ全診療科の病気が対象だ。精神・神経科ではこれまで双極性障害(そううつ病)、統合失調症、うつ病、発達障害、認知症などの診断や治療について相談を受けてきた。
セカンドオピニオンを依頼する理由として、通院中の医療機関の診療に満足していなかったり、特殊な治療法を希望していたりするケースが多いという。「セカンドオピニオンは主治医を替えたり、転院したりするためのものだと勘違いしている人もいます。しかし、本来の目的は診断や治療に関する意見を提供することであるため、検査や治療は行いません」
◇オンラインも
精神科の場合、がんなどのように検査で診断できる病気は多くはない。中には間違った診断をされたまま治療を受け続けているケースもある。
「例えば、うつ病と双極性障害の鑑別は専門医でも難しい側面があります。うつ病と診断されたが治療に疑問を感じ、セカンドオピニオン外来を受診した結果、双極性障害の疑いが強いケースがあります。患者さんの希望で当科の外来を改めて受診して双極性障害であることが判明し、治療法を切り替えたケースもあります」
問題点の一つとして、通院中の医療機関の主治医に遠慮した患者が、紹介状なしで同院のセカンドオピニオン外来を受診するケースが少なくないことがある。「セカンドオピニオン外来を受診して、希望している治療法が適応にならないなどの場合は、通院中の医療機関で治療を継続することになるので、主治医にセカンドオピニオンを受けたいという意思をはっきりと伝えることが大切です」
重症の統合失調症や強迫性障害などで家から出られない人は、近年はオンラインによるセカンドオピニオンも行われている。
慶応大病院のセカンドオピニオン外来を受診する場合、通院中の医療機関にセカンドオピニオンを受ける意向を伝え、診療情報提供書(紹介状)、画像データ、検査結果資料などをそろえる。受診後、担当医が作成した報告書は主治医に郵送され、患者に控えが渡される。費用は30分まで22000円(オンラインは同33000円)。問い合わせ先は慶応大病院セカンドオピニオン外来事務局 電話03(3353)1139(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/08/19 05:00)
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