治療・予防 2024/11/25 05:00
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ストレスをコントロールし、生活を楽しんでいる意識が高いと認知症になるリスクが低い―。順天堂大学大学院医学研究科(東京都文京区)公衆衛生学の野田愛准教授、田島朋知博士らの研究グループはこのほど、11年間の観察研究でこのような結果を明らかにした。
生活を楽しんでいる意識と認知症リスクとの関連
◇発症リスク低下
認知症の発症には加齢や健康状態、社会・経済的状態、ライフスタイルなどが関連すると分かっているが、野田准教授らは「生活を楽しんでいる意識」に着目した。対象は、五つの保健所(秋田県横手市、長野県佐久市、水戸市、高知県香美市、沖縄県沖縄市)管内に住む約3万9000人。うち4642人が2006~16年の観察期間中に介護を要する認知症と診断された。
対象者が45~74歳の時点で、生活を楽しんでいる意識についてアンケート調査を実施。その回答を基に意識の程度を三つのグループに分けて解析すると、中程度の人は低い人と比べ、認知症を発症するリスクが25%、高い人は32%それぞれ低下していた。「年齢、地域、飲酒習慣、喫煙習慣などの影響を調整しても、統計学的に意味のある差でした」と野田准教授。
◇ストレスで帳消し
さらに、ストレスと生活を楽しむ意識、認知症との関係について調べた。アンケートでストレスが「少ない」「ふつう」と答えたグループでは、生活を楽しんでいる意識が中程度の人と高い人は低い人より、それぞれ認知症リスクが31%、37%低く統計学的に明らかな差が認められた。一方、ストレスが多いグループでは、生活を楽しむ意識があっても認知症リスクの有意な低下はなかった。
今回、対象者の一部が調査開始時点で認知機能の低下が始まっていた可能性や、収入の違いが生活を楽しむ意識に影響した可能性などは考慮していない。こうした限界を踏まえつつも、田島博士は「ストレスを管理し、生活を楽しむことに社会全体で取り組む意義があります」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/04/18 05:00)
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