治療・予防 2025/06/18 05:00
かゆみの強い病変が多発
~結節性痒疹(防衛医科大学校病院 佐藤貴浩教授)~
「あ、あ、あ、あのね」「お、お、お、おはよう」。突然、子どもが言葉につかえながら話すようになったら、不安を抱える親は多い。
滑らかに話すことが難しい子どもの吃音(きつおん)は、いつの間にか自然に治ることが多いが、ずっと残る子もいる。子どもに吃音が見られたら、焦らずに、ゆったりと接し、その子が楽に話せる状況をつくることが大切だ。向き合い方について、国立障害者リハビリテーションセンター研究所聴覚言語機能障害研究室長の酒井奈緒美氏に聞いた。
吃音の主な症状
◇3歳までに10人に1人で発症
吃音は発話障害の一つ。国や地域、言語にかかわらず、全人口の約1%の割合でいるとされる。強いストレスや神経の病気などでなる人もいるが、ほとんどは「発達性吃音」で、幼少期に発症する。原因は生まれつきの体質が大きいと考えられている。
主な症状は①音を繰り返す(連発)②音を引き伸ばす(伸発)③言葉に詰まる、言葉をなかなか発せられない(難発)―の三つ。おはようを例にすると、連発は「お、お、お、おはよう」、伸発は「おーーーーはよう」、難発は「・・・・おはよう」と発声する。
大半は2~4歳で出始める。同センターなどの疫学調査では、3歳までにおよそ10人に1人で現れることも分かっている。
最初は音の繰り返しが多い。ただ、「ぼ、ぼくね」のような、1~2回の音の繰り返しは吃音とは限らない。幼少期の吃音は、治ったと思ったら、再び現れたりもするが、就学前には7~8割で自然と見られなくなる。
就学後も症状が続くのは2~3割で、音の繰り返しや引き伸ばしに加え、だんだん言葉に詰まることも増えていく。
子どもの吃音について話す酒井氏=4月下旬、埼玉県内
5~6歳にもなると、子ども自身がうまく話せないことを自覚し、周りから話し方を指摘されることも出てくる。そうすると、言葉を出すときに顔をしかめたり、うまく話そうと手をたたいたりするようになる。そのうちに、苦手な言葉を使わずに話したり、話すこと自体を避けたり、話すことに不安や恐怖、焦燥感を覚えるようになる。
発声や話し方などについて、言語聴覚士ら専門家の指導・支援を受けることはできる。酒井氏によると、成長とともにだんだんと症状が定着していくため、そうした支援は就学の1年から1年半前には始めるのが望ましいという。
ただ、現状では受け皿となる専門の施設や言語聴覚士が少なく、症状が出る全ての幼児を診ることはできない。診てもらえても、初期段階では「様子を見ましょう」と言われることが多い。大半で自然治癒するとはいえ、どの子で治るかは見分けられないため、親の不安は募るばかりだ。
こうした事態を打開すべく、同センターでは2021年に専門外の医師らに向けた臨床のガイドラインを作成。治療が必要な子を見過ごさないため、小児科医らに経過を観察してもらい、悪化が認められたり、改善が見られなかったりする場合は専門家につなぐよう働き掛けている。
(2025/06/13 05:00)
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