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ライソゾーム病は難病と小児慢性特定疾病に指定されている病気で、国内の患者数は約1000人と推定されている。国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)ライソゾーム病センターの小須賀基通医師は「遺伝によって起こる先天性の代謝異常症で、全身に症状が表れる進行性の病気です」と説明する。
ライソゾーム病の主な病気と症状
▽症状多様で発見難しく
人間の細胞には日々の活動に必要な物質を作り出すのと同時に、不要な物質を分解・排出する働きがある。細胞内には膜で区切られた小さな部屋があり、不要になった物質を分解する部屋を「ライソゾーム」と呼んでいる。この中で多くの酵素が働き、それぞれ違う物質を分解している。ライソゾーム病は、生まれつき特定の酵素が作られないことが原因で細胞内に不要な物質がたまり、さまざまな症状が出てくる病気の総称だ。
ライソゾーム病は欠けた酵素ごとに病名が付けられており、それは60種類前後に上る。ゴーシェ病やポンペ病、ファブリー病、ムコ多糖症などが比較的知られている。症状は、関節のこわばりや骨変形、中枢神経障害、肝臓・脾臓(ひぞう)の肥大、貧血など幅広い。
「一つの病気の中にも軽症型から重症型まであり、発症の仕方も異なるので、発見するのが非常に難しい病気です」と小須賀医師。例えば、ポンペ病には乳児型と遅発型がある。乳児型は生後数カ月で心肥大が起こり、心臓が衰弱して1歳前に死亡することもある。一方の遅発型は40~50歳になって筋力低下や呼吸障害などを発症する。
▽家族も一緒に検査を
ゴーシェ病やファブリー病など約10種類の病気については治療法が確立している。中心になるのが足りない酵素を補充する方法だ。
治療できるのに病気に気付かないまま生活している人もいるかもしれない。ライソゾーム病と診断された家族がいたら、近親者にも同じ病気が潜在している可能性があるため、検査を受けておくことが大切だ。
小須賀医師は「まだ治療法がない病気についても対症療法はあります。患者会に参加して、同じ悩みを持つ人同士がつながることで病気に立ち向かう力を得ることも良いでしょう」としている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/01/18 06:00)
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