ムコ多糖症〔むこたとうしょう〕

 皮膚の表皮の下の線維に富んだ部位、骨、軟骨などの結合組織には、水分を保持し組織の弾力性を保ったり、関節内の滑液の粘ちゅう性を保つなどのはたらきを有するプロテオグリカンという物質があり、ムコ多糖と呼ばれる糖たんぱく質からできています。
 ムコ多糖は、ライソゾーム(リソソーム)という細胞内の場所で酵素により分解されますが、分解する酵素の異常により、ムコ多糖がライソゾームにたまっていく病気がムコ多糖症です。異常な酵素と、蓄積するムコ多糖の種類によってⅠ~Ⅶ型まであり、症状の組み合わせは異なります。おもな症状は、肝臓や脾(ひ)臓が大きくなる、突出した前額部・厚い口唇・大きな舌・厚い歯肉などの特異的な顔貌、骨の変形・関節がかたくなる、難聴、角膜混濁、心障害、脳障害などです。ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)は、X連鎖性劣性遺伝ですが、ほかはすべて常染色体劣性遺伝です。

■ムコ多糖症Ⅰ型(ハーラー症候群)
 生後6カ月ごろまでに、粗い皮膚、肝脾(ひ)腫大、発達の遅れが始まり、特異的な顔貌、頭の骨が厚く大きくなる、手足の骨が太く短くなる、背中が丸まってくるなどの骨変形、関節がかたくなる、低身長などが徐々にあらわれてきます。難聴、角膜混濁、知能障害、心臓の異常もあらわれ、10歳ごろまでに呼吸器感染や心不全で死亡します。

■ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)
 症状はハーラー症候群に似ていますが症状の進みはおそく角膜混濁はありません。10代後半に亡くなることが多いのが特徴です。

■ムコ多糖症Ⅳ型(モルキオ症候群)
 骨の変形が高度で、難聴、肝脾腫も起こしますが、知能障害はありません。