ファブリー病〔ふぁぶりーびょう〕 家庭の医学

 小児期から成人期にかけてゆっくりと進行していく脂質代謝異常症です。X連鎖性潜性(劣性)遺伝で、男性は早くに発症しますが、女性も発症します。

[原因]
 脂質代謝の酵素の1つが欠損して、おもに血管の細胞のライソゾーム(リソソーム)に脂質が蓄積し、細い血管が徐々につまっていき、血管の流れがわるくなり症状が出ます。

[症状]
 手足に痛みを感じることで始まることが多くみられます。皮膚に小さな赤紫色の皮疹ができたり、汗をかきにくくなるなどの症状もあります。腎臓の障害(参照:腎臓の病気)も出てきます。最初はたんぱく尿血尿のみで症状は目立ちませんが、徐々に腎不全になっていきます。心不全脳梗塞が起こることもあります。網膜の血管が閉塞したり、難聴になることもあります。

[治療]
 欠損している酵素を静脈注射で補充する治療法が保険適用になりました。早期に治療を開始すれば症状が改善します。手足の痛みにはカルバマゼピンが有効です。腎不全、心不全の治療が必要です。腎不全で透析が必要になってからでは酵素治療の効果はありません。また、ケミカルシャペロン療法という、特定の遺伝子変異がある患者さんに効果がある内服薬も承認されています。

他の病気について調べる