HIV抗体

■エイズの診断
 エイズ(後天性免疫不全症候群)は、エイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス:HIV、HTLV-Ⅲ)に感染することによってリンパ球が傷害され、徐々に免疫力が低下してさまざまな症状を呈する重大な難治性の感染症です。輸血、性行為、針刺し事故、母子感染などでうつります。
 HIV抗体検査は、HIVのもつたんぱく質を検出する検査です。抗体陽性の場合にはHIV抗原検査、ウイルス分離および核酸診断法(PCRなど)などの病原体に関する検査をおこないます。また、治療効果の確認にはHIVのRNA量をPCR法で測定したり、CD4陽性Tリンパ球数を測定します。
 感染後、HIV抗体が陽性となるまでに4~8週程度かかりますから、感染のおそれがあるときには、陰性と出ても一定期間(4~8週間)後に再検査する必要があります。

■基準値:陰性(-)

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)