子どもの病気の特徴

■大人とは違う
 子どもの病気は大人とはさまざまな点で違います。日ごろから子どもの状態、体温、顔いろなどをよく観察しておくことが大切です。「いつもと違う」という親の直感が、重大な病気を発見するきっかけになることもしばしばです。
1.問題がわかりにくい
 子どもは病気でもうったえがなかったり、異常がわかりにくいのが特徴です。どこが痛いのか痛くないのか、乳幼児ではわからないことが多くあります。それだけに、「なんとなくおかしい」「いつもと違う」という親の直感は重要です。
2.発症や進行が急であることが多い
 ついさっきまで元気だったのにということがしばしばあります。医師の診察を受けて比較的元気に帰宅した直後に急変することもあります。専門医でも予測しにくい急変が多いのが子どもの特徴です。
3.全身の問題になることが多い
 防御機構が未熟なため、感染症などの病態が重症化、全身化しやすい傾向があります。
4.感染症が多い
 子どもに特有の感染症も多数あります。感染症にかかりながら免疫を獲得していくために、どうしても一生でもっとも感染症にかかることが多い時期です。
5.年齢によって病気が異なる
 0~15歳を小児とすると、各年齢または年齢層で、かかりやすい病気が違います。また、18歳ころまでは成人とも異なるので、小児科で診ることが多いのです。思春期・青年期特有の問題も多くあります。
6.病気の種類が多い
 生まれつきの病気も含めて、大人はかからない病気も、大人と同じ病気もあります。病気の種類が多いのが特徴です。
7.こころの問題はからだで表現される
 子どもはことばで自分の問題を表現することが苦手です。こころの問題は、からだの症状で表現されることが多いのです。子どもには大人と同様に、あるいは大人以上にこころの問題がたくさんあります。そうだと知っていることが解決の第一歩です。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授 桃井 眞里子)
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