結核性脊椎炎(脊椎カリエス)〔けっかくせいせきついえん(せきついかりえす)〕

 脊椎が結核菌におかされる病気です。
 通常は肺結核からの血行性感染ですが、泌尿器、生殖器の結核が原因となることもあります。背中や腰の痛みが長期間にわたり続き、だるさや微熱をみとめることがありますが、化膿(かのう)性脊椎炎のような激しい痛み、高熱をみとめることはありません。背骨がまずおかされ、隣りあった椎間板(ついかんばん)、さらに脊椎の周囲にまで炎症がひろがり、うみがたまります。
 病気が進行すると背骨がうしろから突出し変形したり、まひを生じることもあります。脊椎の周囲のうみは鼠径(そけい)部や臀(でん)部などにたまり、その部分がはれてきますが、熱や痛みはなく冷膿瘍(れいのうよう)と呼ばれます。
 X線検査、MRI(磁気共鳴画像法)検査、血液検査、ツベルクリン反応(結核菌かどうかの確認のため)、うみの細菌検査により診断されます。

[治療]
 抗結核薬による化学療法を長期にわたりおこないます。ギプス固定やコルセットによる固定がおこなわれます。化学療法が効かない、背骨の破壊が進行する、まひが生じる、うみが皮膚から出てきて瘻孔(ろうこう:膿瘍とつながってからだに開いた穴)を生じるなどの場合には手術がおこなわれます。

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