特定非営利活動法人 ピッコラーレ
認定NPO法人ピッコラーレ(所在地:東京都豊島区、代表:中島かおり、以下ピッコラーレ)は、2023年11月21日に設立5周年を迎えました。節目となる5周年記念イヤーの締めくくりとして、現場の活動(相談支援事業・project HOME(居場所事業))を通して見えてきたことを皆さんと一緒に振り返り、「妊娠で孤立しない社会」の実現に向けて私たちに何ができるのかをともに考える記念イベントを9月(前編)と11月(後編)に開催します。
5周年記念イベント後編 11月17日(日)開催「誰も一人にしない~ つながり続けるために あなたとつくる『project HOME』~」(会場:Fujitsu Uvance Kawasaki Tower 11F, 協力:富士通株式会社)では、若年妊婦のための居場所「ぴさら」や出張「ピコの保健室」など、project HOME(居場所事業)の事業で取り組んできたこれまでの活動を展示や体験コーナーなど多様な形で楽しく振り返る時間をご用意。また、project HOME協働団体であるNPO法人PIECES 代表理事 斎 典道さんとピッコラーレ代表中島かおりのトークセッションを通して「project HOME」の今後のビジョンを共有します。
《こんな方におすすめ》
- 若年妊婦の居場所「ぴさら」や包括的性教育の実践「ピコの保健室」など、これまでproject HOME(居場所事業)で行ってきた活動をはじめ、ピッコラーレの活動全般に関心を持ってくださっている方
- project HOME(居場所事業)の目指す社会・ビジョンに関心を持ってくださっている方
- project HOMEの世界観を体感してみたい方
- 妊娠を「自己責任」にしてしまう社会のまなざしを変えたいと思っている方
- 「妊娠で孤立しない社会」の実現に向けて何ができるかを、色々な人たちと出会い、交流を通して考えたり、そのヒントを得たい、と思っている方
《11月17日(日)イベントの概要》
《「project HOME」の背景 》
「思いがけない妊娠などに悩む人たちが、安心して相談できる窓口を東京にも」そんな思いから、2015年12月に開設した妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」。にんしんにまつわる全ての困った・どうしように寄り添う相談窓口として、2015年12月に窓口を開設し、以来365日年中無休で運営を継続、これまで10代~20代の若者を中心に全国から12,000人を超える相談者と、60,000件を超えるやりとりを重ねてきました。(2024年3月末現在)
これら相談の中には、公園やネットカフェ、友人宅などを転々とし、居場所が定まらず「漂流」している「若年妊婦」や、その状況に陥る可能性のある10~20代の方からの相談も少なくありません。このような相談の背景には、DV、虐待、貧困、不安定な就労、精神疾患など、自分だけでは決して解決できない社会的な問題が存在している場合がほとんどです。
そんな彼らからのSOSをしっかりと受け止め、ゆっくり安心して身体を休めながら、妊娠のこと、今後のことを考えられる空間や時間が提供できる「若年妊婦のための居場所」が、ここ日本には不足していることを、活動を通して痛感してきました。
「ないならつくろう」
社会の中で孤立している若年妊婦に、「いつでもおいで」「もう大丈夫、心配しなくていいからね。ゆっくり休息しながら、これからのことを一緒に考えましょう」と言える、安心で安全な「HOME」を、彼らの声を聞きながら、私たちピッコラーレだけでなく、信頼できる仲間、地域の人たち、そして応援してくださる人たちと一緒につくろう。そうしてはじまったプロジェクトが「project HOME」です。
クラウドファンディング等を通して多くの方にご支援いただき、2020年春、無事にHOME第一号「ぴさら」(フィンランド語で「しずく」の意味)を豊島区に開設しました。今年、開設から4年目に入り、「ぴさら」卒業生も30名近くになりました。現在では、若年妊産婦と生まれてきた新生児への支援だけでなく、「ぴさら」を卒業し、それぞれの地域で暮らしている母子のアフターケア事業「ぴこさと」も本格的に始まっています。
《 ピッコラーレ代表理事 中島かおりよりご挨拶 》
~「生きていていていいのだ」そう思える社会を、一緒に~
ピッコラーレに繋がる若者やこどもたち、そしてピッコラーレスタッフへの温かな応援をいつもありがとうございます。 おかげさまでピッコラーレは2023年11月、設立5周年を迎えることができました。 また2023年12月には前身団体から継続して運営している妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」は9年目、 居場所を持たない妊婦のための居場所「ぴさら」は4年目に入りました。
「ないならつくろう」
そうやって始めたこれらの活動と並行し、政策立案の現場である国への働きかけも継続的に行ってきた結果、 新しい法律や制度も生まれています。その結果、だんだんと同様の取り組みが様々な担い手によって全国に広がり、 他団体と定期的な勉強会や学会発表などネットワーキングも始まっています。
おそらく数年後には「にんしんSOS東京」や「ぴさら」のような取り組みは 「どこに住んでいても当たり前にある」ものとなっていくでしょう。しかし、そんな「当たり前」が叶ったとしても 「にんしんをきっかけに誰もが孤立することなく自由に幸せに生きることができる社会」の実現のためにはまだまだ必要なことがあります。
それは社会のまなざしの変容です。
誰にも気づかれることなく、一人きりで出産し、新生児遺棄に至った方に対し「自己責任」を問う冷たい空気は支援の現場でも感じます。「もう死ぬしかない、助けて」という小さな声に「どうしたの?」と声をかけ、 「大丈夫」と言えるにはどうしたらいいのか。
5周年の節目を迎え、これからのピッコラーレは今までより一層、地域や社会の様々な場所でみなさんと「性と生殖に関する健康と権利」(SRHR)について対話することが大切なのではないか、そう考え始めています。
私たち一人ひとりが、性や妊娠出産のあらゆる場面で権利の主体であること。そして手にすることができる選択の幅に不公平さがなく、選択の内容によって社会からスティグマや差別をされないこと。
「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」は、人が人である限り保障されるべき絶対的権利であり、人権です。「自分の体のことは自分で決めていい」とはどういうことなのか、みなさんと共に考え、社会のまなざしを優しいものに変えていきたいと思っています。
右は、「ぴさら」の卒業生が5周年を記念しスタッフと一緒に考えデザインしてくれたロゴです。 「ピッコラーレ」を支えるのは2匹の小さなダンゴウオ。 「一生懸命支えているんだけど、2匹のダンゴウオだけじゃ大変だから!」 「いろんな人に参加してもらおう!」そんな話をしながら作成してくれたそうです。
このロゴを見るたびに、みなさんがダンゴウオの仲間でいてくださったからこそ活動を継続できたのだなぁと嬉しく励まされています。ありがとうございます。
今回のイベントは、富士通株式会社さまにご協力いただき、とても素敵な会場をお借りすることができました。この会場で皆さんとお会いし、これまでの「project HOME」のあゆみを色々な形で振り返りながら、未来について対話する時間を楽しみにお待ちしています。
誰からもその選択を否定されず、「生きていていいのだ」そう思える社会を、いつも私たちと共に在ってくださる皆さんと一緒に。心からの感謝を込めて。
■ピッコラーレとは
認定NPO法人ピッコラーレは、「にんしん」をきっかけに、だれもが孤立することなく、自由に幸せに生きることができる社会の実現を目指して、4つの事業に取り組んでいます。妊娠葛藤相談支援事業(にんしんSOS東京/にんしんSOS埼玉/にんしんSOSちば)では、妊娠にまつわる全ての「困った・どうしよう」に寄り添うことをミッションに365日相談を受け付けています。また、相談支援員の育成を目的とした研修の開催や、現場から見える「妊娠葛藤」の課題を社会に広く伝えるための啓発活動として「妊娠葛藤白書」(2021年4月)「若年妊婦のための居場所ぴさら~3年間のあゆみ」(2023年6月)を制作・発行しました。そして2020年度からは、居所のない妊婦のための居場所づくり「project HOME」のHOME第一号「ぴさら」(豊島区)の運営や、包括的性教育の実践として出張「ピコの保健室」などの活動を行っています。
<団体概要>
名称:認定NPO法人ピッコラーレ(旧 一般社団法人にんしんSOS東京)
設立:2018年11月
代表理事:中島かおり
理事: 石川治江・宗祥子・土屋麻由美・花屋雅貴
事業内容:妊娠葛藤相談、居場所づくり、研修・啓発、調査・政策提言
URL:
https://piccolare.org/
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(2024/10/01 10:00)
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