治療・予防 2024/11/22 05:00
ドナーの食べたもので輸血副反応?
~アレルギー患者で活性化(信州大学医学部付属病院 柳沢龍准教授)~
熊本県八代市にある熊本総合病院は、かつて熊本県内のつぶれる病院ナンバーワンとささやかれていた。前病院長は就任からわずか4カ月で急死。後継者になるのは、火中の栗を拾いにいくようなものだと誰もが思った。しかし、2006年に島田信也氏が病院長に就任すると、1年半で累積7億円の赤字を解消し、グループ内でトップの病院に躍進した。
小説家になりたかった高校時代(後列中央)
◇学校が嫌い
破綻寸前の病院を見事に復活させた島田病院長とは、いったいどんな人物なのだろうか。少し生い立ちをさかのぼってみたい。
島田氏は熊本の出身。ごく普通のサラリーマン家庭に生まれたが、代々地主で経済的には恵まれて育った。内科医の兄と画家の姉がいる。「兄貴が優秀で、私はカスみたいに扱われていました。小さい頃は悪い思い出しかないですね。とにかく学校が嫌いで、授業はほとんど聞いていませんでした」
地元の名士の家に生まれ、それ相応の立ち居振る舞いを求められたが、島田氏はそれに反発を覚えた。「自分が地主だから特別みたいな感覚がおかしいと思って。家族の中では異質な存在でしたね。私は突然変異だと思うんです」
島田信也氏
◇小説家を目指す
小説家を目指していたが、高校の同級生に「小説家で生活するのは難しいから、まず医者になってから小説を書いたら」と言われ、すっかりその気になった。熊本大学医学部に進学。「小説家になるために医者になったので、大学でもマージャンに明け暮れ、ろくに勉強しませんでした。しまいには医学部に友達がいなくなって、工学部の連中とばかり付き合ってたんです」
外科医を選んだのは、手先が器用だったし、勉強しなくてもいいと思ったから。「外科医になり患者さんと接するようになって初めて、知識もない、修練も足らない、患者さんのためにならない自分が心から恥ずかしいと思いました。これじゃ、いかんと思って、本気になって勉強を始めたのは、それからです」
(2019/03/22 06:30)
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