治療・予防 2024/11/22 05:00
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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、慣れない外出自粛生活が長引いた。そんな中、授乳中の母親たちをいつも以上に悩ませたのが、母乳が乳腺にたまる「うつ乳」をはじめとする「乳房トラブル」だ。
家族全員の在宅時間が延び、家事や育児の負担が増えたストレスが温床になっている。こうした乳房トラブルから乳腺炎に発展することもあり、母乳育児を支援する助産師たちは「トラブルは一人で抱えこまず、相談してほしい」と話す。
◇家事倍増し、授乳もままならず
夫は3月から在宅ワークで、上の子ども2人も休校・休園に。家事の負担が増えた上、子どもの相手を四六時中しなければならず、ストレスもたまっていった。「上の子の都合で動くと授乳間隔が空き、ますますうつ乳傾向になった」と振り返る。
この女性は、同県南足柄市で助産師が営む「母乳育児相談室」に通い、乳房ケアを受ける回数が増えた。この相談室では、休校・休園措置が広まった3月中旬以降、来院者が一時増加した。対応した助産師の露崎寿枝さんは「子どもたちの世話と家事を一人でこなし、ストレスがたまったことが要因」とみる。
こうしたケースの中には、赤ちゃんが授乳に集中できない例もあるようだ。「飲むのをやめてしまうと、母親のうつ乳や乳頭白斑の原因になる。気が散ると、乳首を口で引っ張りながら飲み、乳首が切れることもある」と注意を促す。
◇乳腺炎に発展することも
授乳期、母乳を乳腺にためないには、赤ちゃんに1日8回以上、夜間も2〜3時間おきに母乳を与える「頻回授乳」が望ましい。飲み切れなかったら「搾乳」をする。
赤ちゃんが母乳を飲みやすくなるように、抱き方にも工夫が要る。その母子に合った互いの体の高さや向きを探し、おへそを向き合わせ、ぴったりくっつける。赤ちゃんの口は大きく開け、顎を下げてあげて、乳首を深くくわえさせるとよい。
適切な授乳が行われないなど何らかの要因で母乳が乳腺にたまってしまうと、母乳の通り道である乳管が詰まって「乳腺炎」になりやすい。白くて硬いニキビのような白斑が乳頭に現れ、乳管の開口部をふさいでしまうことも。自分の乳房、乳頭の様子をよく観察し、どこが詰まっているのか当たりをつけて対処する必要がある。
赤ちゃんの様子にも注意したい。乳腺炎になると、母乳の成分はナトリウムなどの濃度が上がってしょっぱくなり、「赤ちゃんは乳首を引っ張ったり、うなったり、足をバタバタさせたりしながら飲む」(露崎さん)ことがあるという。
(2020/05/26 07:00)
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