治療・予防 2024/11/22 05:00
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「更年期」とは、閉経を挟んで前後5年間ぐらいを指す。ホルモンバランスの乱れから、この時期の女性の体にはさまざまな症状が表れる。ホットフラッシュ(突然の火照りやのぼせ)、肩凝り、イライラ、憂鬱(ゆううつ)などはよく知られているが、手の関節に表れる更年期特有の症状があることをご存じだろうか。
◇女性ホルモンの減少
「50歳前後の女性で、起床時などに手の指が動かしにくくなる『朝のこわばり』を訴える方が多くいます。手指の痛みを伴うこともあります。関節リウマチの初期にも同様の症状が出るため、慌てて来院されるのですが、検査をしてもリウマチではないケースがほとんどです」とすずひろクリニック(さいたま市)の鈴木王洋院長は話す。
こうした症状は、閉経に伴って、卵巣からつくり出される女性ホルモンが急激に失われることが原因と考えられ、女性ホルモンを補うホルモン補充療法によって軽減されたり、消えたりする。
「脂肪組織からも女性ホルモンはつくられるため、脂肪が少ない痩せ形の人の方が、手のこわばりが強く出る傾向があります。更年期以外では、卵巣がんなどで両側の卵巣を切除した場合や出産直後の生理が停止している時期にも、同じ症状が表れることがあります」と鈴木院長は説明する。
◇予備知識で不安軽減
関節リウマチとの違いは、関節の炎症は伴わないこと。また、関節リウマチでは症状が次第に悪化していくが、更年期の関節症の場合には、閉経直後の半年間が最も症状が強く、その後、数年で徐々に消えていくという。
鈴木院長によれば「正式な医学用語は無いものの、こうした関節症状は更年期の女性によく見られます」とのこと。
更年期はただでさえ不安が強い時期。症状の一つに関節症があることを知っておくだけでも、気の持ちようが変わってくるのではないだろうか。
関節症状が更年期によるものか他の病気によるものかは、採血や磁気共鳴画像装置(MRI)による検査で判断できるという。確認する意味でも、こわばりなどの関節症状が出たらリウマチ科、リウマチ膠原(こうげん)病科を受診したい。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2017/05/03 12:51)
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