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足の指が地面に着かず、浮いた状態になる「浮き指」。大人の場合は歩行やバランス機能、姿勢などに影響があると言われる。最近増えているとされる子どもの浮き指について、大規模な実態調査に携わった山梨大大学院(山梨県中央市)整形外科講座の藤巻太郎特任助教に聞いた。
▽子どもは9割以上
環境省は13歳以下の子どもの健康と環境についての大規模な追跡調査「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)を行っている。その一環で今年5月、山梨大学エコチル調査甲信ユニットセンターが山梨県内の396人の8歳児を対象に、浮き指について調査した。その結果、8歳児の足の浮き指の頻度は96.7%に上ることが分かった。
ただ、目を閉じさせると、爪先を無意識に地面に着けて姿勢を安定させようとする子どもの割合が高かった。このことから7~8歳児の足の浮き指は、立ち姿勢での安定性に影響はなく、病的なものではないと考えられるという。「心配する保護者もいると思いますが、足の痛みなどを訴えない場合は特に心配する必要はないでしょう」と藤巻特任助教は話す。
▽合わない靴が要因に
子どもに浮き指が多い理由は分かっていない。「成長過程で骨や筋肉が完成されていないことなども考えられ、成長過程でも変化していく可能性があります。運動する習慣が少なくなっていることや、学校の上履きなどの靴が足に合わないことなどが原因とされています」
特に、靴の中が幅広で足が靴底にベタっと付いてしまう靴や、履いている時に指が反るサンダルは足の指の機能低下の要因になるため、避けた方がよい。また、足指の筋力が低下すると、成人の場合では浮き指になりやすく、姿勢が崩れたり、高齢者なら背骨が曲がったりするのに関係があるとの指摘もある。自然に治らない場合は、指の筋力を高める体操を取り入れるなどの工夫が必要だ。
藤巻特任助教は「足の浮き指による健康への影響や成長過程で改善する人の割合など、同じ子どもの追跡調査で明らかにしたい」と話す。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/12/11 05:00)
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