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美肌効果を期待して温泉を楽しむ女性が増えている。だが、泉質によっては「湯かぶれ」や「湯ただれ」と呼ばれる皮膚炎を起こしてしまうこともある。事前に泉質を知っておけばトラブルを避けることができる。姫路医療センター(兵庫県姫路市)皮膚科の福田均医長に聞いた。
温泉施設の脱衣場などには温泉分析書が掲げられている。温泉法により掲示が義務付けられており、泉質や温度、pH(ペーハー)値、適応症(効能)、禁忌症(入浴してはいけない症状)などが書かれている。pH値というのは水素イオン濃度による分類で、pH7を中性の基準値として、7より高いとアルカリ性、低いと酸性であることを示す。
アルカリ泉は皮膚の角質を溶かして滑らかにする効果が期待されることから、美肌の湯として女性に人気がある。一方、酸性泉は殺菌や抗菌の作用があり、にきびなどの皮膚感染症への効果が認められているという。
「湯かぶれ」というのは、温泉に入ることで皮膚が赤くなったり、ピリピリとした痛みやかゆみ、発疹が表れたりするなど皮膚に生じる炎症のことだ。皮膚炎には、金属や植物などに対するアレルギーで起こるものや、さまざまな物質による刺激で起こるものがあるが、湯かぶれは刺激性の皮膚炎の一種で、一般的には、アルカリ泉よりも酸性泉の方が皮膚炎を起こしやすいとされる。
◇肌に合った湯選びを
福田医長は「皮膚の表面を覆う角質層は、外からの刺激や皮膚の水分の過剰な蒸発を防ぐバリアー機能を持っています。この機能が低下すると刺激に弱い敏感肌になったり、皮膚の潤いが失われて乾燥肌になったりします。このような状態で酸性の強い温泉に入ると、殺菌作用が刺激となってかぶれやかゆみが生じやすくなるのです」と説明する。
美肌が目的なら温泉の成分を事前に調べ、自分の肌質や肌の状態に合った湯を選ぶことが大切だ。また、入浴の際にはナイロン製のタオルなどで強くこすって角質にダメージを与えないこと。酸性の強い温泉に入った後は、真水で洗い流そう。
「温泉地で売っている湯の花などには、硫黄などの成分が含まれているものもあるので、皮膚の弱い方は注意が必要です」と福田医長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2017/06/04 12:25)
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