治療・予防

高齢女性だけじゃない尿漏れ=骨盤底筋体操で筋力アップを

 ドラッグストアなどで女性の尿漏れ用品が目に付く。尿漏れや尿の失禁は高齢者の症状と思われがちだが、40歳以上の女性の3人に1人が週に1回程度、ごく軽い尿漏れを経験しているともいわれている。行楽シーズンなどの外出に備え、どうしたらよいか。日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の高橋悟副病院長に聞いた。

 ◇女性ならではの原因

 くしゃみやせき、重い物を持ち上げようとしたときなど、おなかに力を入れた瞬間にわずかに尿が漏れる「腹圧性尿失禁」は、尿漏れトラブルの約5割に上る。強い尿意でトイレに間に合わず漏れる「切迫性尿失禁」が約2割、両方の症状がある「混合性尿失禁」は約3割だ。

 瞬間的に大きな腹圧が掛かると、閉じているはずの尿道の筋肉が緩み、尿がわずかに押し出されてしまうことがある。「尿道の筋肉が強く締まっていれば尿漏れは起きません。ところが、男性の尿道が約20センチと長く、筋力も強いのに比べ、女性の尿道は約4センチと短い上に筋力が弱く、下方を向いているため、男性に比べて構造上尿漏れしやすいのです」と高橋副病院長は解説する。

 ◇体操で骨盤底筋強化

 骨盤内の下部にある骨盤底筋は、ちょうどハンモックを張ったように下から内臓を支えている。尿道、膣(ちつ)、肛門を締め、ぼうこうを腹圧の衝撃から守る働きをしているが、出産や加齢などで骨盤底筋や尿道を締める筋肉群が弱ると、尿漏れを起こしやすくなる。

 そこで、高橋副病院長が勧めるのが骨盤底筋を鍛える体操だ。あおむけに寝て膝を肩幅に開いて立て、膣と肛門にぐっと力を入れて5秒間締め、力を抜く。10回を1セットとして、1日3セット以上を気長に続けるとよいそうだ。「骨盤内の血流が改善され、柔軟で強い筋肉が得られます。尿道をしっかり閉じられるようになるので、腹圧性尿失禁だけでなく、切迫性尿失禁にも有効です」と高橋副病院長。

 生活習慣の改善も重要だ。肥満になると、ぼうこうが常に圧迫され、血流が悪くなる。高橋副病院長によると、肥満で尿漏れに悩む女性には減量が大きな効果を上げているそうで、日常生活に運動を積極的に取り入れたい。

 最近では健康のためにとスムージーを飲む女性が増えているが、高橋副病院長は水分の取り過ぎで尿量が増え、切迫性尿失禁を誘発するケースもあると懸念する。「野菜を多く食べる人は、食事からも水分を多く摂取していることを忘れずに」

 骨盤底の筋力アップと適正な体重維持、そして水分量の調節。尿漏れの予防と改善は、日常生活の中で習慣付けていくことが大切だ。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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