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4月から不妊治療が保険適用となり、患者の経済的な負担が軽減された。生殖医療の専門医として政府に提言してきた杉山産婦人科・丸の内(東京都千代田区)の杉山力一理事長に話を聞いた。
5.30 保険適用の回数制限
▽少子化対策として期待
不妊治療には、第1段階の「一般不妊治療」と第2段階の「高度不妊治療」がある。一般不妊治療には、排卵日を推定して性交を促す「タイミング法」、排卵日に合わせて調整した精子を子宮内に注入する「人工授精」がある。
高度不妊治療には、卵子と精子を体外に取り出して受精させる「体外受精」、卵子と精子を体外に取り出し、細いガラス針の先端に1個の精子を入れて顕微鏡で確認しながら卵子に直接注入する「顕微授精」がある。
「治療費の負担額が3割になったことは、患者さんに朗報です」と杉山理事長。一方で、「注射や薬の種類、検査方法、治療内容によっては保険が適用されないものもあり、患者さんが望む治療ができない場合もあります。難治性の患者さんでは治療選択の幅が狭くなり、自費診療を選択せざるを得ない人もいます」とする。こうした負担を減らすために、先進医療などに助成金を独自で支給している自治体もある。
▽同意書と配偶者の同席が必要
不妊治療の同意についても、「以前は不妊治療の同意書の提出だけで済みましたが、現在は配偶者が来院して同席することが必要です。テレビ電話などで意思を確認することも可能ですが、患者と医師双方に負担になっています」と杉山理事長。
回数制限がある体外受精について、43歳以上に保険適用がない点を「厳し過ぎる」と指摘し、45歳以上に引き上げることを提案する。
ただし、年齢が上がるほど妊娠率は下がる。「35歳くらいまでに治療を開始すると約8割の成功率ですが、40歳を超えると3割に達しません」とし、早めの受診を呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/09/01 05:00)
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