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運動時や睡眠中などに突然、ふくらはぎの筋肉がけいれんして激痛に襲われる「こむら返り」。ほとんどの場合は心配ないが、「こむら返りを起こす可能性のある病気はたくさんあります。特に夜間に繰り返す場合は、一度かかりつけ医に相談することをお勧めします」とアキ循環器・血管外科クリニック(さいたま市)の秋顕院長は話す。
こむら返りが起きたときのストレッチ法
▽脱水や冷えなど原因か
「こむら」はふくらはぎのこと。ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮したままけいれんして強い痛みが生じる状態がこむら返りだ。「足がつる」とも言い、医学的には「有痛性筋けいれん」と呼ぶ。足の指、足の裏、太ももなどに起こることもある。
こむら返りが起こるメカニズムはよく分かっていない。運動に関連して起こる場合は準備運動不足、汗をかくことによる脱水、筋肉疲労など。夜間に起こる場合は脱水、冷えのほか、姿勢の影響もあると考えられている。「就寝中は足の甲が伸びてふくらはぎの筋肉が縮んだ状態になりやすく、これが発症のきっかけになると言われています」と秋院長。
頻繁に繰り返す場合は、糖尿病、肝硬変、甲状腺の病気などの他、降圧薬、利尿薬、ぜんそくの薬、脂質異常症の薬などの影響も考えられる。心臓血管外科が専門の秋院長は「足の静脈がこぶのように盛り上がる下肢静脈瘤(りゅう)では、夜間や明け方にこむら返りを起こす人が多いです」と話す。
▽応急処置にストレッチ
応急処置にはふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチが役立つ。ストレッチは予防にも有効だ。運動前に行う他、夜間に発症しやすい人は就寝前の習慣にするとよい。「日ごろから筋肉を柔軟に保っておくことが大切です」と秋院長。
また、水分や、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが不足すると筋肉の収縮が起こりやすくなる。「特に高齢者は“隠れ脱水”に気を付けて。就寝前に水や経口補水液をコップ1杯ほど飲むのもお勧めです」。その他、栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、運動や入浴などによる冷えの予防なども心掛けたい。
こむら返りは多くの人が経験する症状だが、特に高齢者や妊娠中に起こりやすいとされる。食事や運動などの生活を見直しても繰り返す場合は、かかりつけ医に相談する。
治療でよく使われるのが漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)だ。服用すると5分ほどで痛みが治まる。予防的に就寝前に使用する場合もあるが、「連用すると副作用の危険があるので、必ず医師と相談してください」と秋院長は助言している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/10/02 05:00)
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