治療・予防

女性に多い下肢静脈瘤
レーザー治療で負担少なく

 脚の静脈に血液がたまり、血管が蛇行したり、こぶのように膨らんだりする「下肢静脈瘤(りゅう)」。決して珍しい病気ではなく、国内患者数は1000万人以上と推定されている。山王メディカルセンター(東京都港区)血管病センターの宮田哲郎センター長に、症状や治療法などについて聞いた。

 ▽静脈の弁が壊れる

 脚の静脈は、重力に逆らって血液を脚よりも上方にある心臓に戻している。その際、重要な働きをするのが、血液の逆流を防ぐ「弁」である。下肢静脈瘤は、この弁が何らかの原因で壊れ、血液が逆流して滞り、脚の静脈にたまる。そして、血管壁にかかる圧力が高くなり、血管が皮膚表面にこぶのように浮き出る。

下肢静脈瘤の症状

 原因はよく分かっていないが、女性が発症しやすく、年齢を経るほど発症リスクが高まる。特に長時間の立ち仕事に従事している人や、妊娠・出産の経験がある人に多く見られる。見た目の問題に加え、ふくらはぎのだるさ、むくみ、こむら返りのほか、進行すると湿疹や色素沈着、潰瘍などの皮膚症状が表れることもある。

 宮田センター長は「命に関わったり、脚の切断といった重大な事態になることはありませんが、自然には治りません。浮腫などのつらい症状で日常生活に支障を来している場合は、治療により症状を改善できるので医師に相談してください」と話す。

 ▽日帰りで手術も

 治療の基本は、弾性ストッキングによる圧迫療法。脚に適度な圧力を加えて圧迫し続けることにより、血液の滞留を防いで進行を遅らせる。「壊れた弁を治すことはできませんが、不快な症状の改善には役立ちます」と宮田センター長。

 根本的に治すには手術が必要だ。かつては、静脈瘤のできている静脈を引き抜く「静脈ストリッピング術」が主流だったが、それに代わる治療法として、レーザーや高周波を用いた「血管内焼灼(しょうしゃく)術」が広く行われている。宮田センター長は「焼灼術の最大の利点は、体への負担が少ないことです。血管を内側から焼いてふさぐ治療法で、手術当日に歩いて帰ることができます」と説明する。

 下肢の血液はふくらはぎの筋肉ポンプにより押し上げられているため、予防のためには、普段からよく歩いて、ふくらはぎの筋肉を鍛えることが大切だという。「立ち仕事が多い人は、市販の着圧ソックスなどを活用するのもよいでしょう。血液が下肢にたまりやすい日中に着用することがポイントです」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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