冷え 家庭の医学

 さむけは、冷たい物の食べすぎや寝不足などが原因で生じることがありますが、ゾクゾクするさむけに発熱を伴えば、ウイルスや細菌の感染症が考えられます。特に多いのは、急性の腎盂(じんう)腎炎や扁桃(へんとう)炎などです。
 手足などの末梢(まっしょう)が冷えるときには、動脈硬化症、バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)などの場合があります。女性では、高安動脈炎(大動脈炎症候群)のほかに、寒冷により手が白くなったあとに紫色になるレイノー病などの可能性が考えられます。
 心不全や甲状腺機能低下症のときには、冷えるだけでなく、全身がかたくむくむ場合があります。

■冷え
症状病名そのほかの症状など
全身性の冷え感染症悪寒(さむけ)に続く発熱
心不全血たん、疲れやすい、むくみ、食欲がない、息切れ
甲状腺機能低下症むくみ、汗が少ない、毛が薄い、眠け、不活発、さむがり
末梢性の冷え貧血疲れやすい、めまい、蒼白(顔いろ)、食欲がない、息切れ、脈が速い
動脈硬化症
バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)手足の冷感や痛み、血行不良、難治性潰瘍
高安動脈炎(大動脈炎症候群)倦怠感、めまい、食欲不振


(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹