治療・予防 2024/11/21 05:00
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ビタミンCが不足すると、筋肉量が減ったり運動能力が低下したりすることがマウスを使った実験から分かった。実験を行った東京都健康長寿医療センター研究所(板橋区)分子老化制御研究部の石神昭人部長に話を聞いた。
ビタミンC不足で筋肉量が低下するが、適切な摂取で回復可能
◇筋量や運動能力との関係調べる
ビタミンCは、ヒトの生存や健康に欠かせない栄養素の一つ。皮膚、骨、血管などの重要な成分であるコラーゲンは、ビタミンCがなければ作ることができない。がん、心臓病や脳卒中などの心血管疾患の発症に関わるとされる体内の細胞傷害因子(活性酸素)を消去する作用もある。
筋力や運動能力と関わる可能性もある。石神部長らは2006年、東京都在住の70~84歳の女性約1000人を調べ、血液中のビタミンC濃度が高いほど握力や歩行能力が高いことを報告した。
しかし「筋肉内には多量のビタミンCが存在するものの、その働きは分かっていませんでした」と石神部長。特に、ビタミンC不足の影響を調べた報告はなかった。ヒトをビタミンCの不足状態にする研究は倫理的に認められないためだ。そこで「ヒトと同じくビタミンCを体内で作れないマウスを用い、筋量や運動能力に及ぼす影響を検討しました」
◇ビタミンC非投与で筋力低下
ビタミンCを作れない雄のマウスを、ビタミンCを投与するグループと投与しないグループに分け、足の筋重量(筋肉の重さ)と運動能力の変化を16週間調べた。非投与グループの血液中、筋肉内におけるビタミンC濃度は投与グループに比べ4週後に著しく低くなった。
筋重量は12週以降、非投与グループが投与グループに比べて低値となった。運動能力として評価した全身持久力は8週以降、筋力と自発的活動量は12週以降、非投与グループで低値となった。ただし、それらは、12週からビタミンCを与え始めると、24週後には投与グループとほぼ差がなくなるまで回復した。
石神部長らは、雌のビタミンC合成不全マウスを用いた以前の研究でもほぼ同様の結果を得ている。「ビタミンCは性別に関係なく、筋肉の機能維持に不可欠と分かりました。ヒトでも同様に働く可能性が考えられます。ビタミンCの豊富な食品を取ることは、運動機能の点からもメリットが大きいです」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/12/01 05:00)
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~血液がんのホジキンリンパ腫(国立がん研究センター中央病院 伊豆津宏二科長)~